T太郎

なんちゃって家族のT太郎のレビュー・感想・評価

なんちゃって家族(2013年製作の映画)
3.9
911
コメディだ。
生粋のコメディである。
ヤバいストーリーなのだが、なんせコメディなので安心して鑑賞できる。

タイトルから内容は何となく想像できるだろう。
主な登場人物は以下の4人である。

デイビッド:ヤクの売人
ローズ:ストリッパー
ケニー:普通の童貞高校生
ケイシー:ホームレスの少女

赤の他人であるこの4人が家族に成りすまし、メキシコから大量のヤクを運ぶのだ。

主犯はデイビッドだ。
彼はしがない小悪党であるが、基本的に気の良い男である。

ある夜、売上金を根こそぎ盗まれてしまい、進退きわまり状態に。
そこでボスからヤクの運び屋をするよう命令されたのだ。

一人でメキシコに行くのは危険だ。
ばれる可能性が大である。
という訳で上記の3人を無理矢理引き込んだのである。

彼らは組織が用意したでっかいキャンピングカーでメキシコへ向かう。

デイビッドとローズは元々仲が良くない。
ケイシーはよく見かける不良少女で常に不機嫌だ。
果たしてこんな4人が、家族のふりをして任務を全うできるのだろうか。

旅の途中、別の家族と知り合いケニーが恋に落ちたり、国境の検問で万事休す状態に陥ったり、メキシコの麻薬組織に命を狙われたり、様々な出来事を通して4人に絆のようなものが芽生えてくる。

デイビッドとローズが、知らず知らずのうちに本当のパパとママのように振る舞ったりする場面がある。
本人たちは気づいていない。
二人に叱られたケイシーが嬉しそうに笑う場面は印象的だ。

笑いながらもしんみりできて、いいコメディだった。

と、鋭敏な私はここで瞬時に気づいたのだ。
これはロードムービーではないか。
(遅いな)

“ロードムービーと潜水艦映画にハズレなし”ということわざがある。
(ないよ)
まさにそのとおりだと言えよう。

         完
T太郎

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