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アクション スペクタクル パニック映画だ。
古代ローマ版「タイタニック」といった趣である。
西暦79年、ベスビオ火山の大噴火によって、ポンペイの町が一日にして壊滅した。
その史実を基にした恋愛映画とも言えるのだ。
ストーリー運びや設定は、実に「タイタニック」を彷彿とさせる物がある。
一体どういう事なのか。
説明しよう。
主人公はケルト人奴隷で剣闘士のマイロだ。
彼がポンペイ領主の娘と恋に落ちるのだ。
身分違いの恋。
そう、まさにジャックとローズである。
更に、恋のライバルというか敵役の存在だ。
二人の恋路を邪魔する憎たらしい奴である。
キーファー・サザーランドが演じている。
パニック映画と恋愛映画の融合というところも似ているし、厄災の始まりから徐々に規模が大きくなっていき、最後の大スペクタクルに至る感じもそうだ。
上映時間が短いので全般的に薄味ではあるが、実に「タイタニック」風味の香る作品なのである。
ただ、奴隷とお嬢様がそう頻繁に会えるはずもなく、二人の感情があそこまで高まった理由が分かりにくい。
まあ、その分アクションに時間を割いていて見応えありだ。
主人公は剣闘士なのだ。
戦いの場面は多い。
私がベスビオ火山とポンペイの悲劇を知ったのは、敬愛する島田荘司氏のミステリー小説からだ。
私はミステリー小説が殊の外大好きなのだ。
中でも島田荘司先生は三度の飯の次の次くらいに好きなのである。
あれは忘れもしない、10年前・・15年・・いや、20年前か・・・知らん。
秋の夜長に・・いや真夏か・・真冬か、真春か・・・に私はあるミステリー小説を読んでいたのだ。
そう、あれは忘れもしない、「水晶のピラミッド」・・いや「アトポス」・・「眩暈」・・知らん、もしかしたら島田荘司ですらないかもしれない。
なんせ、そのミステリー小説で初めて知ったのである。
懐かしい思い出だ。
島田荘司先生、ありがとうございます。