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ゼロの未来の35DH1のレビュー・感想・評価

ゼロの未来(2013年製作の映画)
4.5
最近はモンティ・パイソン再集結ライヴにも参加していた、テリー・ギリアム監督最新作『Zero Theorem』。ツボ過ぎてもう何回も観てしまいました。企業に支配された管理社会の街並み。どこかフリッツ・ラングの『メトロポリス』を彷彿させる感じ。色は極彩色っぽいですがw 何せ、街中の至る所にある電子看板が追いかけてきてウザいっす。見方によっては近未来の拡張現実世界と、ビーチと宇宙を行き来する目茶サイケデリックな作品ですね。『未来世紀ブラジル』と『12モンキーズ』、そして『Dr・パルナサス』を掛け合わせたような、『未来世紀ブラジル』の頃の“毒”っ気みたいなものが深化した感じのデストピア。
主演のクリストフ・ヴァルツは、タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』でのキング・シュルツ役も良かったですね。今回は坊主頭で大奮闘。マット・デイモンがマネージャーを務める会社とその役柄もかなり胡散臭いんですよw そして、何とラップも披露しているドクター・シュリンク-ロム役のティルダ・スウィントン、最初誰なんだかさっぱり解りませんでしたよw あんな目立つ感じの女性なのに。
現実と虚空の世界の先に見た人生とは?『未来世紀ブラジル』の不条理さが好きな方はきっとツボな、監督の世界観本領発揮の逸品!ラストに流れる、Karen SouzaによるRadioheadの「Creep」のカヴァー(彼女のカヴァー集『Karen Souza Essentials』に収録)も最高。美術もマジカルな感じ、登場する電話が相手が話す時に唇(スマホの画面に唇が映っているw)が動いてちょっとカワイイですよ(^^)

https://www.youtube.com/watch?v=rae7_O_6EtU
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