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カニバルの35DH1のレビュー・感想・評価

カニバル(2013年製作の映画)
3.5
#032-2014
スペインはグラナダに住む、一人の仕立て屋カルロス。家族も恋人もなく、持ち前の腕で仕事を熟す彼の生活を淡々と追ったこの作品。実は彼には人には知られてはいけないもう一つの顔が…それは、女性の人肉を食べる事。決して性的欲求はなく、“解体して食べる”だけ。そんなカルロスの日常を、パトリス・ルコント監督のような映像で観せてくれるのは、『オスカーの半分』のマヌエル・マルティン・クエンカ監督。
2時間弱と言うちょっと長めの上映時間も、長回しで見せる映像美と出演者達の何気ない演技のお陰か、それ程長くは感じず。そしてカンニバル映画なのですが、“そう言うシーンは見せない事で見せる”と言う巧みな手法で描いてくれてます。なので、もしかしたらこの人…なんて事を色々と考えてしまったりと。なので良く有りがちなグロなシーンは皆無。まぁちょっと冷蔵庫の中に…なんてのがチラっと見えますがw 昨年からマッツ・ミケルセン演じるレクター博士のドラマ『ハンニバル』を、シーズン1、2と見続けているので、そう言う“お肉”のシーンなんかに抗体が出来てしまったのかも?w
しかし、カンニバル映画でありながらサスペンス云々と言うよりも、これは一人の孤独な主人公の“愛”の話なのかも?観ている内に、この文藝作品さながらの愛の話に、主人公に感情移入を…いやいや、この人って人間食べちゃってますからと、心の制止をw(^^)

http://www.cannibal-movie.com/
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