T太郎

ヴィジットのT太郎のレビュー・感想・評価

ヴィジット(2015年製作の映画)
3.8
977
M・ナイト・シャマラン監督作品
戦慄のサスペンスホラーだ。

シャマラン作品には当たりハズレがある印象だが、これは当たりだった。
ストーリーと雰囲気がめちゃめちゃ良い。

主人公はベッカとタイラーの姉弟だ。
中3と中1くらいお年頃か。

二人は休暇を利用して母方の実家を訪問する。
そこで数日間を祖父母と過ごすのだが、思いもよらない恐ろしい事態に遭遇するのだ。

本筋に入る前に、以下の数点を押さえておく必要があるだろう。

姉弟の母親は19歳の時に両親と衝突し、家出をした。
それ以来、彼らとは会っていない。
今回の訪問にも同行していない。

姉弟の父親は、数年前に家族を捨てて別の女性とともに町を出て行っている。

祖父母はボランティアで、地域の相談員をしている。

以上は前提事項だ。
これらが物語にどう関連してくるのか。
要注目である。

祖父母の家は雪に覆われたポツンと一軒家だ。
祖父母に暖かく迎え入れられ、姉弟はこの訪問に期待を膨らませる。
優しいおじいちゃん、おばあちゃんで良かった良かった。

しかし、程なく姉弟は、おかしな空気を感じ取る。
おじいちゃんもおばあちゃんも何かおかしいのだ。

夜間、全裸で屋内を徘徊するおばあちゃん。
納屋に汚物まみれのオムツをため込んでいるおじいちゃん。

二人は病気なのだと言う。
老人特有の病気なので、仕方ないのだ。
姉弟は納得するものの、やはり気持ちのいいものではない。

しかし、この後も不可解な出来事は続く。
どこか変、何かがおかしい、なんとなく気持ち悪い・・・

静かに物語は進んでいくのだが、ある驚愕の事実が明らかになるやいなや、怒涛の急展開に!

    以下ほんのりネタバレ

実は、あからさまに伏線は張られている。
祖父母の留守中に二人の訪問者があるのだが、彼らのセリフに留意する必要があるのだ。

祖父母は相談員のボランティアだ。
病院で活動しているようだが、数日前から無断欠勤をしているらしい。
更に病院でちょっとした騒動があったという。

そもそも、あの祖父母があの状態で、人の相談を聞くなんて事が可能なのだろうか。
一体、誰がどのような相談を持ちかけるというのか。

実はそれらの疑問の裏には、驚愕の秘密が隠されていたのだ。

足下をすくわれるとはこの事だ。
全く予想外の真相に、私はあいた口が未だにふさがらないのである。

「また口あいてんで」
よく人から言われるのはこのためなのだ。
私がアホみたいに見えるのは、この作品のせいなのだ!
まったくとんだ風評被害である。

そんな益体もないボヤキを言っていたら、お腹がすいてきた。
お口を閉じたり開けたりしながら、ご飯をいただくとしよう。

食事は大事だ。
T太郎

T太郎