T太郎

13時間 ベンガジの秘密の兵士のT太郎のレビュー・感想・評価

3.6
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2012年、リビアのアメリカ総領事館襲撃事件の顛末を描いた作品だ。

カダフィ政権が倒れた後のリビア。
アメリカは総領事館とCIAの基地をベンガジに残していた。

武装した反米勢力がそれらを急襲し、アメリカ大使が殺害されるという事件が起きたのだ。

CIA基地に配置されていた6人の元軍人。
通称GRSというらしい。
海兵隊や特殊部隊出身の精鋭たちだ。
彼らがそれに立ち向かうという物語である。

迫力もあり緊迫感もあったのだが、実はよく分からなかった。

ストーリー自体はよく理解できたし面白かったのだが、登場人物の見分けが非常に難しかったのだ。
男性陣は漏れなくヒゲモジャなのである。

戦闘が始まるとみんな一様に顔が汚れてくるし、夜間の場面が多いので尚更だ。
誰が何をしているのかホンマに分かりにくかったのだ。
分かりにくい事山の如しなのである。

あと面白かったのが、CIA職員と元軍人たちとの対比だ。

元軍人たちはCIA基地では邪魔者扱いである。
職員は妙に上から物を言ってくる。

ここでは軍人が必要になる事態など起こらない、筋肉バカは高学歴で優秀な自分たちの邪魔をするな。
という訳だ。

だが、一旦事が起これば立場は逆転する。
CIA職員は戦闘の訓練は受けていない。
ここは軍人頼みとなるのである。

スパイ映画などでよく見るCIA像とは、かなり様子が異なるのだ。

一方軍人たちは終始かっこいい。
終盤まで私は普通にアクション映画として観ていたくらいだ。

この扱いの差は何なのだろう。
実際そうだったのか、あくまで演出の一環なのか。

偉そうだったCIAのボスがシュンとなる場面は溜飲が下がったのだが、なぜか気になったのだ。

なかなか見応えのある作品だった。
面白かった。

分かりにくかった部分はあと5、6回も鑑れば解消するだろう。
多忙な私は4回しか無理だったが、暇を持て余し・・・お時間に余裕のある方はどうぞ。
T太郎

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