T太郎

ジュラシック・ワールド 炎の王国のT太郎のレビュー・感想・評価

3.7
915
SF恐竜アドベンチャー映画の金字塔「ジュラシックパーク」から数えてシリーズ5作目だ。

初代を意識した演出が随所に見られたが、全体の印象としてはかなり違うようだ。

恐竜よりも、欲深くも愚かな人間の恐ろしさに焦点を当てており、ロマンという面では物足りないかもしれない。

初代のロマンたるや実にえげつないものがあったのである。
恐竜好きの少年少女、紳士淑女、おっさんおばはんの心を掴んで放さない魅力があったのだ。

この作品にも恐竜はたくさん出てくるのだが、ただの希少な絶滅危惧種といった扱いで、ジュラ紀・白亜紀へのロマンは希薄だ。
(個人の感想)

冒険映画としてはさすがの面白さだ。
前半の開放的な島での大活劇と後半の限定された屋内での攻防。
次から次への危機また危機!

うむ、さすがである。

特に前半は火山噴火、溶岩との戦いもあり実にスリリングであった。

序盤、主人公役のクリス・プラットが溶岩に襲われる場面は、怖気をふるうほど恐ろしかったのだ。

なんやかんやあって、最終的に大量の恐竜が野に放たれる。
アロサウルスやティラノサウルスまでもがである。
そんな物語だ。

次の作品が非常に楽しみである。

最近、敢えて言ってなかったのだが、ヴェロキラプトルの造形には、かねてから疑問があった。

最新の知見ではあんなに大きくない。
中型犬くらいの羽毛に覆われた可愛らしい恐竜なのである。

スピルバーグが初代で抜擢してしまったせいだ。
可愛らしい恐竜が、恐ろしい恐竜として認識されてしまった原因はスピルバーグにあるのだ。

製作陣も忸怩たる思いがあったのだろう。
今回、登場するヴェロキラプトルは“ブルー”1頭だけだ。

しかも、すごく人間の味方をしてくれる。
危険度0%なのだ。

素晴らしき手のひら返しだと言えよう。
(言い方!)
T太郎

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