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SF恐竜アドベンチャー映画の金字塔「ジュラシックパーク」から数えてシリーズ5作目だ。
初代を意識した演出が随所に見られたが、全体の印象としてはかなり違うようだ。
恐竜よりも、欲深くも愚かな人間の恐ろしさに焦点を当てており、ロマンという面では物足りないかもしれない。
初代のロマンたるや実にえげつないものがあったのである。
恐竜好きの少年少女、紳士淑女、おっさんおばはんの心を掴んで放さない魅力があったのだ。
この作品にも恐竜はたくさん出てくるのだが、ただの希少な絶滅危惧種といった扱いで、ジュラ紀・白亜紀へのロマンは希薄だ。
(個人の感想)
冒険映画としてはさすがの面白さだ。
前半の開放的な島での大活劇と後半の限定された屋内での攻防。
次から次への危機また危機!
うむ、さすがである。
特に前半は火山噴火、溶岩との戦いもあり実にスリリングであった。
序盤、主人公役のクリス・プラットが溶岩に襲われる場面は、怖気をふるうほど恐ろしかったのだ。
なんやかんやあって、最終的に大量の恐竜が野に放たれる。
アロサウルスやティラノサウルスまでもがである。
そんな物語だ。
次の作品が非常に楽しみである。
最近、敢えて言ってなかったのだが、ヴェロキラプトルの造形には、かねてから疑問があった。
最新の知見ではあんなに大きくない。
中型犬くらいの羽毛に覆われた可愛らしい恐竜なのである。
スピルバーグが初代で抜擢してしまったせいだ。
可愛らしい恐竜が、恐ろしい恐竜として認識されてしまった原因はスピルバーグにあるのだ。
製作陣も忸怩たる思いがあったのだろう。
今回、登場するヴェロキラプトルは“ブルー”1頭だけだ。
しかも、すごく人間の味方をしてくれる。
危険度0%なのだ。
素晴らしき手のひら返しだと言えよう。
(言い方!)