福福吉吉

悪人は生きているの福福吉吉のレビュー・感想・評価

悪人は生きている(2014年製作の映画)
3.0
ハン・ビョンド(パク・ピョンウン)は楽器の販売・修理の店をしていた。妻のユミ(ハン・スヨン)は会社のペク・ドンイル会長(キム・ホンパ)の右腕として重要な仕事についていたが、会社の不正事件が発生後、ユミが遺体で見つかる。事件の追求を逃れるために逃亡を図るペク会長をビョンドは捜索し始めるが、それに対し、ペク会長はビョンドに殺し屋ソンを差し向ける。

ストーリーは逃げるペク会長を追うビョンドの復讐劇という形で進んでいきます。テンポは良く、ビョンドの前に殺し屋が立ちはだかることによって上手く緩急のついて展開になっていました。そして、終盤のストーリーの一捻りが衝撃的で驚きました。

主人公のビョンドは感情を表に出さず、寡黙で、得体の知れない雰囲気を醸し出していました。ビョンドがためらいなく他人の指を切る姿はとても怖いものがありました。また、殺し屋ソンが娘を人質にしたシーンでも自らはその場所へ向かわず、刑事を差し向けたので、感情が欠如している感じを受けました。

ペク会長は悪役としてキャラクターが立っていて、事件のもみ消しを部下に指示しますが、できない部下や弁護士を容赦なく叩きのめす姿はまさに悪役、という感じがしてとても良かったです。調理場で弁護士をカニで殴るシーンは笑ってしまいました。

しかし、妻のユミについての描写が少ないため、ビョンドがペク会長を追う理由が終盤になるまで分からず、モヤモヤした状態で観ることになって不快に感じました。

地味な印象ではありますが、普通に面白かったと思います。
福福吉吉

福福吉吉