T太郎

THE BATMAN-ザ・バットマンーのT太郎のレビュー・感想・評価

3.9
952
これまでで最も地味なバットマンだが、面白かった。

ヒーロー物というよりサスペンス・ミステリーである。
敵役が“リドラー”なので、なぞなぞ多めなのだ。

いきなりリドラーとか言ってしまったが、知っている人間の悪い癖だ。
バットマンを全くご存知ない方からすれば、リドラーて誰?何?
となるだろう。

そう、これは観客がバットマンをある程度知っている事を前提とした作品なのだ。

他に“ペンギン”とか“キャットウーマン”とか。
アルフレッドやゴードンとの関係性とか。
ほぼ全てが説明不足と言えるかもしれない。
アメコミ物ではありがちな事である。

私はティム・バートン版以降のほぼ全作品を観ている。
従って、初心者の方々に対して適切かつ行き届いた解説をする準備ができているのだ。

しかし、紙面には制限がある。
(ないよ)
残念ではあるが、今回は割愛させていただく。
各自で調べていただきたい。
(こらこら)

一体何作目のバットマンだろう。
そして、なぜ今この作品を撮ったのだろう。
「アメイジング スパイダーマン」で感じた事をこの作品でも感じてしまった次第である。

冒頭、“地味”と書いたのだが、一体何が地味なのか。

ストーリーだ。
ヒーロー物ではなく、雰囲気はまさにサスペンス物なのである。

古式ゆかしきハードボイルドでもあるし、「セブン」や「羊たちの沈黙」のような捜査物でもある。

キャラクターも地味だ。
リドラーとかペンギンとくれば、ティム・バートン版を思い出すのだが、あまりの造形の違いに戸惑う。

どのような違いがあるのか、具体的に説明する準備はできているのだが、紙面には制限がある。
(ないよ)
各自で調べていただきたい。

更にバットマンが史上最高に陰鬱だ。
終始、陰にこもっている。
声もちっちゃい。
何か嫌な事でもあったのだろうか。

そんな陰鬱なバットマンをロバート・パティンソンが好演している。
彼が新バットマンだと聞いた時は、納得感があったものだ。
若いが非常に似合っている。

次回作も期待大だ。
T太郎

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