ベン家の帯

羅生門のベン家の帯のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.5
いつか見たいと思いながらずっと後回しにしてきた黒澤映画。

タイトルは羅生門だけど、ストーリーは実は違う話で羅生門と同じく芥川龍之介の「藪の中」
てっきり老婆が死体から髪を引き抜いてカツラを作る話だと思ってた。
全然老婆出てこない。

最初こそ何を見せられてるか分からないんだけど、徐々に全貌が明らかになっていく構成はタランティーノ作品を思い出したけど、寧ろタランティーノが黒澤映画から影響を受けているらしい。
話はシンプルだけど見せ方が上手くて芯が強い。
そして、三船敏郎演じる多襄丸がめちゃくちゃカッコいい。


「一体正しい人間なんているのかい?みんな自分でそう思ってるだけじゃないのかい?」
「人間というやつは自分に都合の悪いことを忘れちまう。都合のいい嘘を本当だと思ってるんだよ。その方が楽だからな」