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2重螺旋の恋人のTのネタバレレビュー・内容・結末

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

気になった場所を調べたら・・

クロエが勤務する美術館・・パレ・ド・トーキョー(※鑑賞客をアジア系ばかりにしたのは美術館の名前にちなんで?単に美のバランス的に?)

クロエとポールが暮らすアパート・・「résidence Salmson Le Point du Jour」でグーグル検索すると出て来る。小さな池に橋がかかり、高層階からの夜景が綺麗(凄く高そうだけど)。

生まれた時は1人だけど、お腹の中に当初双子で存在し、強い遺伝子の一方が、もう一方を取り込んでしまうことが現実にもあるとは初めて知った。
上記の事を踏まえると、クロエに起きたことの意味が分かってくる。
クロエは、お腹に違和感を抱えており、最近は腹痛も伴い深刻になってきた。「望まれない子」として母親から愛されていない事が原因ではないかと思っている。

ルイがクロエにした三毛猫の話は、クロエの腹痛の原因そのもの。
母親のお腹にいた時点ではクロエともう一人子供がおり、強いクロエの遺伝子がもう一人を取り込んだ。取り込まれた「もう一人」も実はクロエの中で育っていて、その存在をクロエに訴えている。
その訴えが、クロエに「ルイ」という幻覚を見せている。

やがて、ポールがルイの存在を隠す理由と、二人を取り巻く「サンドラ」という女性の存在が出来上がる。
サンドラの母親は「娘はまじめだったが、あなた(クロエ)は性に奔放な汚れた女」だといって責め立てるシーンがあるが、この女性はクロエの母親であり、もう一人が見せる幻覚と、クロエの潜在的ストレスになっている「母親から愛されていない」が合体してクロエに見せた幻想だった。

やがて育った「もう一人」がクロエのお腹から出て来て日の目を見る。
自分の存在がようやく認識され、クロエを支配していた不思議な精神状態はようやく解放された。母親とも和解、不感症だったがポールとの関係も正常になる。

年齢制限があるだけに、際どいシーンが多い。マリーヌ・ヴァクトの身体が綺麗だから映像に出来たが、そうでなかったらかなり・・・だったろう。
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