みあせぶ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのみあせぶのレビュー・感想・評価

4.6
007コンプリートチャレンジ 《25》


ここ数ヶ月間、007を復習される方が多くて、私の「007コンプリートチャレンジ」と名付けた一連の過去作レビューにもちょこちょこいいねをくださる方がいらっしゃって嬉しい限りです。

正直、007は私にとっては合う合わないの激しいシリーズでしたが、そんな中でもダニエル・クレイグボンドは安定感抜群で迫力やストーリーに至ってもスパイ映画最高峰だと思います。15年もボンド役を務めたダニクレ、お疲れ様でした。

本作『No Time to Die』に向けて『Dr.No』から観てきたこのコンプリートシリーズも1度このレビューをもって完結させたいと思います。
公開を楽しみにしていた私はまだ高校生でしたが、今となってはオンライン授業を受ける大学生になってしまって時の流れを感じたりします。笑

ダニエル・クレイグ版の魅力は内容に横の繋がりがあるところだと思います。前作に影響を受けて制作される続編は、やはり1回完結型の映画より深みが増していきます。新規ファンを獲得するのは難しいし内容も細かくなりますが、往年のファンは大喜びなのでは?大衆受けより『007は2度死ぬ』のオマージュじゃん!!などと気づけるファンを大切にしてほしいですね。←予習した甲斐があって今回のオマージュに気づけて嬉しかった007初心者です。

私が劇場でボンドを拝むのは今回初めてだったので、ダニクレに銃で打たれるあのオープニングで本当にハートを撃ち抜かれた気がします。「これだよ!これこれ!!!これが観たかったんだよ!!!!」と思っていたら、お決まりの名台詞やマティーニもちゃんと出してくれて私は感極まりました。25作目という節目で晴れて劇場で007を観ることができて良かったです。

でも内容は中の上ぐらいでしょうか。笑
白塗り恐怖症の私の背筋が凍りついたラミマレック演じる悪役サフィン。コンセプトとかはとてもいいと思うのですよ…
だけど私は貴方の人間性が全然掘り下げられなかったことが残念で仕方ありません。おそらく非人間的ということを表現するのが先行してしまって、人物にストーリーを持たせると人間味を帯びてしまう恐れがあるのでそこを避けたのかなと私は思ってます。ボンドにとって運命を変えてしまう存在だからこそ、ボンドと同じぐらい深みのある人間であってほしかったです。例えるならMCUのサノスぐらい深堀してほしかったかな。

今作で噂のボンドガール、アナ・デ・アルマスちゃんが脚光を浴びているようで私は嬉しいです。もう少し出番を設けてほしいぐらい最高でした。昔はほぼ100%ボンドガールとイチャイチャしてたプレイボーイ・ボンドでしたが、今回はそういうこともないのでこの長い年月を経てボンド観にも変化があったなという印象です。笑

ついに観れた…ついに終わってしまった…という思いでいっぱいすぎて、ついこの間まで「早く観たい」と言っていた私が遠い昔のように思えます。新作を待っている間がなんだかんだ1番楽しかったかもしれません。放心状態ですが、新007もダニクレにクールに接しててかっこよかったですし、引退したのに過去に真正面から向き合ったボンドさんを称えるべく、スコアを加点しておきます。

時間が長い映画ですが、アナ・デ・アルマスちゃんを観るためなら何回でも劇場に行けそうな私でした。
そして来世はターコイズブルーの目を持つ人物に産まれたい!笑
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