みあせぶ

シンデレラのみあせぶのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2021年製作の映画)
3.9
やはり歩きにくかったガラスの靴


2020年代にもなると、かの有名なシンデレラも脱・王子様待ってる系プリンセスになってしまいました。いい意味でディズニー版に喧嘩を売るという形に…笑

歌手としてのカミラ・カベロが大好きなので映画も期待していました。歌のうまい人がミュージカルやったらそりゃ良いよねという話です。

今回のシンデレラはファッションデザイナーです。自分で服やドレスまでデザインして作ってしまうんですね。完全に魔法頼みな感じのシンデレラ像を打ち壊しました。自分で服を売り歩く姿も従来のシンデレラみたいな王道系プリンセスには絶対ありえない行為。

アニメ版ではいろいろ動物も出てきますが、今回は主にネズミぐらいしか出演がなくて意外でした。ネズミたちいい声してるなと思ったらその中の一人がジェームズコーデンだったことにびっくりしました笑

曲もディズニー版とは違い、QUEENやエド・シーランなどなど現代的かつあらゆるジャンルのものを引っぱってきていてノリノリでした。それを歌の上手い人々がカバーするのでミュージカル好きは嫌でも盛り上がってしまうわけです。

クッション性ゼロで歩きづらいだろうなと思っていたガラスの靴。どうやらカミラも同じだったようで、ガラスの靴を投げつけるカミラが最高にかっこよかったです。抑圧からの解放みたいな印象を受けました。
さらに、継母を完全な悪に仕立てるんじゃなくて、彼女も彼女なりの理由があるというストーリーにも大満足でした。今回の映画の悪役は、女性のそういったた自由を強いるようになってしまった社会です。まさしく現代的でした。“令和のシンデレラ”という売り文句は気に入りませんが、そういう風に売り出していきたい広報さんたちの気持ちがよくわかる映画ではありました。
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