ねこねここねこ

七つの会議のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

七つの会議(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

3回目の視聴。
ほとんど半沢直樹だという評価が多く、幸い半沢直樹をほとんど観てないのでなかなか楽しめた。

一度観て面白くて原作読んでまた2回観た。
俳優陣がすごく良くて、みんな演技良かったなぁという印象が強すぎる。
出だしの会議のシーンとか、その場にいたらめちゃくちゃ緊張しそう。

ミッチーが結構いい味出して、ほんわか繋いでくれるので、野村萬斎と香川照之の濃すぎる演技(褒め言葉です)の応酬をうまく和らげるムードメーカー的な感じ。

藤森慎吾のチャラくて不誠実な感じの経理もなかなかの演技。八角に詰め寄ろうと営業に出向いたものの、完全なアウェイ感で引き下がらざるを得ないシーンもなかなか見もの。藤森って意外と演技上手いね。

あと小泉孝太郎の検査技師?も八角が来たらそそくさと逃げ出す小物感がなんか変にピッタリで笑える😅

テンポ良く進んでたのに後半の御前会議がややダラダラしていてそこはマイナス。

データの改竄やら隠蔽やら、利益を出すためには清廉ではいられないのかもしれないけど、日常にも普通にありそうで怖い。先日もどこかのトンネルが完成間際で電気をつける時になって、厚さ30センチないといけないコンクリートが一部ひどいところは3センチしかなかった、というニュースがあったけど、映画🎬の中のネジの強度が半分というのより酷くない?トンネルのコンクリートの一部そんなに薄くて崩落したら丸バレなのに平気で開通させようとしてたんだよね?人の命より目先の会社の利益なんだね💧
やたら下請けだの孫請けだのひ孫請けだのの結果、こういうことが起こる社会なんだよね。
震災で、崩れないと言われてた高速道路が崩れて、中の鉄骨が届出の規格より2段階くらい細いものだったとか、リアルにあるのが怖すぎる。

って話が逸れちゃったけど、結局大手の無茶振りにもひたすら平身低頭イエスマンで応え続けないとダメな社会構造は映画の中だけではないし、都合悪い証拠は全て隠滅されてしまったり、御前様は下の者に責任を押しつけて無傷で居続けるのも悲しい現実なんだよね。

それでも最後に香川照之が物証となるネジを手にやって来るシーン。彼の言い分もわかる。ボンクラの振りして逃げ続けた八角と、手を汚して無理を聞き続けた北川。きっとどちらも苦しい。

エンドロールの場面で、八角が日本人が持つ侍の気質みたいなものを語っていたけど、確かに「藩から出たくない」「その藩で頑張る」しかないという思いみたいなのは、なんとなくわかる気がする。特に男性はそんな感じがする。あくまで個人の感想だけど。
個人的には中間管理職の位置に居たけれど、男性からの嫉妬がすごかったり、何度言ってもダメな腐った組織から半分啖呵切って出て行った過去があるので、出ていけない人は出るのが怖いのか、自分の実力がないのだろうと、若い頃は思っていたけど、藩から出たくないという心理だとすれば、すごく腑に落ちた気がした。

何年か経ったらまた観たくなるかな。