ポンポコ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのポンポコのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

話題になっているのは知っていたのですが、勝手なイメージで可愛い女の子が出てくる萌えアニメ系統かと思い避けていたのですが、テレビで放送していたため何の気なしに視聴したところ、視聴前に想像していた印象はいい意味で裏切られました。

映画版は完結編らしく他にもシリーズは出てるみたいなのですが、これが初見でも特に問題なくストーリーは理解できました。
細かい人間関係などはおそらく他シリーズを見た方が深みが出てより楽しめるとは思います。

言葉にするのが難しかったりこそばゆい本音を手紙にして伝えるというドールの仕事を見ていると手紙っていいな、現代は電話やメール、SNSが普及してますが「手紙、書いてみようかな」という気持ちになれました。

また、これは個人的に好きな演出なのですが、「電話のせいで仕事が無くなる」と嘆いていたキャラが終盤で「電話も捨てたもんじゃない」というシーンや当時郵便社で働いていたという博物館スタッフの老婆が実際に郵便社で受付をしてるシーンなどちゃんとあのセリフ意味あるんだと思える場面があったのは好印象でした。

ただ唯一残念だったのが主題歌です。
クライマックスで流れるのですが全く合っておらず涙腺に溜まった涙はスッと引っ込みました。
この曲とアーティストが良い悪いは論じるものではありませんが、作品に合っているかで考えるなら良くない曲だと思いました。
感動できる映画と主題歌は二つで一つでありどちらかが悪いと台無しになるのだとこの映画を見て知ることができました。

・簡単な話の流れ・
まだ電話やネットが発達しておらず、読み書きができる人も限られている舞台では手紙の代筆業を行う通称ドールと呼ばれる仕事があり、そこで勤めるヴァイオレット・エヴァーガーデンが主人公の物語です。

彼女は孤児として軍の少佐であるギルベルトに拾われ、生活を共にすると共に戦場で活躍する。
しかし、戦争でギルベルトは生死不明に、彼女も両腕を失う大怪我を負います。
ギルベルトと離れ離れになる最後に伝えられた「愛してる」という言葉は彼女の脳裏に焼き付くのだった。

戦争は終わり数年後、義手を付けCH郵便社でドールの仕事を行うヴァイオレット。
彼女は人々の手紙の代筆を行いながら暮らしていますが、戦場で行方不明となったギルベルトを忘れることができずにいます。
そんなある日郵便社の宛先不明で送り返す予定の手紙の中からギルベルトの筆跡と思われる手紙を発見します。
いてもたってもいられないヴァイオレットは送り先に向かうことにします。

現地にはあの日行方不明になったはずのギルベルトがおり、再会を果たすことはできましたが、ギルベルトはヴァイオレットを拒絶します。
理由は孤児として拾ったヴァイオレットを大切にしたいと思いながらも戦争の道具として共に戦場に駆り立ててしまった罪悪感からです。
直接話すことが難しいと判断したヴァイオレットは自身のギルベルトへの思いを手紙にしてギルベルトに渡します。
手紙には孤児の自分を育ててくれた感謝と彼の伝えた「愛してる」の言葉の意味が今なら理解できると書いてあります。

それを読んだギルベルトはヴァイオレットに向き合う覚悟を決め二人は改めて伝えたいことを伝え合い、仲睦まじく島で生きていきました。