大道幸之丞

恐怖の報酬 オリジナル完全版の大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルは1953年のフランス映画。原題はSorcerer(魔術師)。
ただし作品の出来はリメイク版の本作の方が良いらしい。

油田の火災を止める為に爆風を利用すべくニトログリセリンをそこまで運搬する高額報酬の仕事。パーツを寄せ集めたような老朽化した2台のトラックに3箱づつニトログリセリンを積み、2名×2台で出発する。2台の理由はどちらか1台が失敗しても1台が到着できるように保険を打っている。

とはいえ、2台とも失敗も充分有り得る。

4名が皆ヤバい背景を背負い「稼ぐしかない」追い詰められた状況。だから報酬を独り占めしようと出し抜こうとしたり、仲違いも起こる。
しかし結局まんべんなく全員が活躍し助けられる。お互いに認め合い和ができて、あとはたどり着くだけというところで先行していたセラーノ(ブリュノ・クレメール)とカッセム(アミドウ)組が突然のパンクで崖から落下、ニトロが爆発する。

残るドミンゲス(ロイ・シャイダー)ニーロ(フランシスコ・ラバル)組も待ち構えていた反政府ゲリラ達に取り囲まれるが、ニーロが銃で倒す、がニーロも撃たれてしまい命を落とす。

さあこれでドミンゲスの報酬独り占めか、と小切手を受け取るが、そこへは追手のマフィア達が到着する——と結局皆が命を落としてしまう運命。

南米のこの村も独裁体制で、村人は皆極貧生活を強いられている「底辺」の生活だが、そんな村だからならず者が流れ込んでくる。

——本作の醍醐味はそれぞれが追い込まれている最底辺の男どもだが、人物の魅力を出し合ったところからドラマが急展開するところ。「友情」などは芽生えないが「一目置く」ところまでは関係が接近する。そんな男どもにはなぜか共感してしまうものがある。