タングステン

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒のタングステンのレビュー・感想・評価

5.0
今回は、いつものスタジオLAIKAの作品よりも大人の方も楽しめるストーリーになっていると思います。
歳を重ねるほど、プライドや誇りにこだわってしまうのかもしれないと、観ている自分の心にグサリと刺さりました。

リアルで実写のような映像をベストとするのなら、本当は全てCGでやるべきなのかもしれません。ただ、このストップモーションという表現が、非効率で生産性のない手法では無いのだと、このスタジオから生まれた作品を観る度に感じます。
敢えて、遠回りで時間のかかる方法を用いたことで表現としての幅が広がっていることは、アニメーションの進化に大きく貢献しているのだと思います。
この作品を観たことで、ストップモーションの価値を再認識させられました。

特に好きなシーンは、ライオネルがストップモーションらしく自然的な動きで、大きな木々の中を歩くシーンです。木漏れ日などの色合いが、とても綺麗でした。
カメラワークもストップモーションとは思えないような広大さを感じる背景を用いたシーンが多々あり、見応え抜群でした。