Arata

サイダーのように言葉が湧き上がるのArataのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

あきに見てコタツで書いてるFilmarks

夏の映画を秋に観て冬にレビューを書くと言う、季節を横断する形になっている。

登場人物が愛おしい。
性格が、可愛らしい。
思春期特有の悩みを抱えて、人と出逢い、それをきっかけに克服していく。
青春讃歌の音楽俳句現代劇アニメーション。

フジヤマレコード店で、ヤマザクラ捜索時などに幾つかのレコードジャケットが映し出される。

私が確認出来たのは、シカゴブルースの巨人「ハウリンウルフの、モーニングアットザムーンライト」ただ一点。
その他も、何となく「見覚えあるなー」と思いながら見ていたが、結局今まで思い出せない。
これから皆さんのレビューを読んだりしながら、答え合わせが出来たらと期待をしている。

ーもしご存知の方がいらっしゃったら、コメントを残していただけると嬉しいです。


ナイアガラレーベルのレコードジャケットさながらな、都会的な雰囲気とリゾート地の様な雰囲気と言う、相反するモノの同居する風景も魅力的。

挿入歌の大貫妙子さん、エンディング曲のネバーヤングビーチさんも、それぞれに最高。

ストーリーはシンプル、俳句以外のセリフすらリズミカル、上映時間も程よく、サイダーの喉越しの様な爽やかさ。




最後にネタバレを一つ。

冷蔵庫の陰から、ようやく見つけ出したヤマザクラのレコード。
歪みに気付いて、元に戻そうと押さえ付けて割ってしまう。

これは、冷蔵庫の裏にあった事、店内のエアコンが故障していた事、そして、夜になり少し涼しくなっていた事が関係していると思われる。

レコード盤の溶解温度は、物によって30度くらいからと言われている。
もっとも、ドロドロになるのはもっと高温で、はじめは歪みが生じる程度。
多少の歪みであれば再生は可能だが、少しとは言え、歪めば音程や速度が変わってしまい、ハッキリ言ってあまり良い音とは言えなくなってしまう。

真夏にエアコンが故障し、締め切った店内で、盆地の様な地形と思われる今作の舞台の街では、相当な室温になっていたとも考えられる。

また、冷蔵庫の裏は、熱がこもっている可能性が高い上に、垂直では無く斜めにたてかかった状態になっていると思われ、故にいびつに歪んでしまったと推測される。

そして、発見が夕方から夜と言ったあたりの時間帯で、気温が下がった事で、レコード盤が溶解点を下回り、柔らかくなっていたところから硬化が始まっていたと思われ、そこに圧がかかったために割れてしまったと考えられる。

更に、どれ程の期間、あそこに落ちていたかは不明だが、少なくとも夏の間はあの状態だったと思われるので、軟化と硬化とを行ったり来たりした事により、レコード盤が激しく劣化していた為に、粉々になったものと考えられる。

個人的には、実際に経験した事は無いが、モノの本などから得た知識、先輩の方々のレコードエピソードなどを集約し、この様な考察に及んだのだが、もし間違いなどがあれば、ご存知の方ご教示願いたい。
Arata

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