A8

街の上でのA8のレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.6
エモいってこういうことなのかな
若者の特権ってこういうことなのかな、、
そう感じる作品だった。

特に何か“大きなこと”を成しているわけでないし、お金があるわけでもない、、
自己を確立しつつあるが、それはまだ未熟。
何にでもなれる年齢ではないが、頑張ればまだ何かしらにはなれる時期。
この自立した者の青春というか、、最後の青春?
そういった者たちが殻に閉じこもるのではなく何か自分の感性に従って右往左往動いていく姿が“エモい”というか実直に言って惹かれた。

夢というか、希望というか、明るい未来が明確にあるわけでもなければもちろん暗いわけでもない
彼らにはどこにも属さない誰のものでもないまだ未知な明日があるのであった。
この未知というのは人間の活力においてとても大事な役目をするのだろう。

未知な明日をまだ夢として捉えられる
その最後の時期まで“今”を楽しんでほしい。


前半は主人公の生活圏や現状の要約が描かれ後半は前半で出会った人たちとの会話が長回しっぽい感じで描かれており、もはや彼らの会話に参加しているくらい入り込めるのだった。
→リアルに言葉を噛んでしまったり、まずそもそも自分もどこかでしたことがありそうな会話内容だったりと
激しくない臨場感に溢れておりリアルに引き込まれた印象。

生産性のない会話こそ“リアル”につながるヒントがあるかもしれない‼︎
そしてそれがまさかの伏線だったり?、、
そう思った。実際その部分は魅力的だった

自分の意見を臆せず言える古川さん演じる女性は、実際居たら引き気味になってしまうんだろうけど
自分の本心を言って後悔することよりも
言わないで殻に閉じこもる方がよっぽど生きづらいに違いない。
そう思うほど清々しいモノだった。
A8

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