ハヤシ

ユンヒへのハヤシのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
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印象に残ったシーンを思い返してみると、ユンヒとセボムのシーン、ジュンとマサコ伯母さんのシーンが多く浮かぶ。『ユンヒへ』はクィア映画であると同時に、母と娘の物語でもあったのだと思う。

私は自分の母と自分の関係でしか母と娘を知らないけれど、この映画で描かれていた母と娘はものすごくリアルだと思った。母と娘ってなんだか独特の距離感を持つ関係性だと思う。友達同士みたいなときも、依存的なときも、支え合えるときも、疎ましく思ってしまうときも、自分とは別人なのだと思うときも、似ていると感じるときもある。心と心の距離が自在に伸びたり縮んだりする。ユンヒとセボムの間にもこの伸び縮みが見えたように感じた。

イム・デヒョン監督は男性の監督としてレズビアンの映画を撮ることに苦労したと話されていたが、恋人同士にとどまらず女性同士の関係を丁寧に描かれたのだと思った。
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