ポンポコ

映画 えんとつ町のプペルのポンポコのネタバレレビュー・内容・結末

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

大筋

休むことなく稼働し黒い煙を出し続ける煙突だらけの「えんとつ町」
煙のせいで空も遠くの景色も全て塗りつぶされています。
そのため、町の人々は星を知りません。
この町以外の世界も知りません。
海の向こうは煙で覆われ、化物がいるとまで言われており海に出ようとするものもいません。

そんな町でえんとつ掃除をする主人公「ルビッチ」
彼は「煙の向こうにはたくさんの世界や星々が広がっている」という父から聞いた迷信を信じる少年です。

そして、謎の力でゴミに魂が宿ったゴミ人間こともう1人の主人公「プペル」

物語は彼らの出会いから始まります。
最初はゴミの化け物であるプペルを恐れるルビッチですが共に過ごす内に彼らの間には絆が生まれます。
そして、2人はルビッチの夢である煙の向こうの星々を見ることを目標に行動を始めます。

しかしそんな2人の関係を引き裂こうとする者達がいます。
それはえんとつ町の役人たちです。
彼らにとってゴミから生まれた謎の生物プペルは面倒の種でしかなく、さらに彼らのしようとしている煙を晴らすという行為はこの町にとって許し難い行為だったからです。

その理由は国の成り立ちに大きく関わっています。
昔々、あらゆる物が時間と共に腐り価値を下げる中でお金だけは腐らずに価値を保つことに疑問を抱いた王様がお金にも時間と共に腐る機能をつけました。
それによって王様の国はお金を無意味に貯め込まなくなり経済が活発になって大きく発展します。
しかし、それをよく思わない別の国の者達によって時限式の通貨は廃止に追い込まれ、王様は処刑されてしまいます。
生き残った王様の子供や家臣は誰にも邪魔されない国でもう一度同じシステムを作り今度こそ平和に暮らそうと考え、えんとつ町を作ったのでした。
そして、他の国に干渉されないために煙で町を覆い隠したのです。
これが「えんとつ町」の正体です。

そんな町でルビッチとプペルは煙の向こうの見たこともない世界を信じ、煙を爆弾で吹き飛ばす計画を立てます。

町の人々はほとんどが鼻で笑い、役人からの妨害もありながらなんとか爆弾を爆破させ煙を吹き飛ばす2人

煙の晴れた空には美しい星々が輝いています。
そしてそれを見た人々は感動し、バカにしていたことを恥じます。
役人も1人の少年のゴミ人間が起こした行動に考えを改めるのでした。


感想
非常によくできた作品にも関わらずキングコングの西野さんの顔がチラつくのか厳しい評価が散見しますが、そういった色眼鏡を外して1本のアニメーション映画として見たときにここまで過剰に叩かれるべき作品とは決して思えませんでした。

映像は非常に美麗で上手くCGなども取り入れた素晴らしいものでした。
正直映像に関しては文句のつけようがない気がします。
私は動画配信サービスで視聴しましたが「映画館で見たらここ絶対感動するでしょ!」って場面が多々ありました。

ストーリーも細かい部分(結局なんで父親の魂はプペルに入ってたの?)など気になる部分はありますがしっかり大筋は回収されており綺麗にまとまっていました。

しかしながら、子ども向けな作品であることは否めず大の大人が真面目に見て面白いかと言われると自信を持って肯定はできないです。
著名な方々が何回見ても感動できる!最高だ!と絶賛するSNSを見て、それならばと成人した方が観に行けばガッカリすることは多くなるだろうと思います。
そういった意味でも最初から子ども向けのポップな映画として宣伝しておけばここまでの賛否にはならなかったのでしょうが、、、

1映画としては間違いなく良作だが、宣伝やプロモーションで損をした映画
これが答えだと自分は思いました。