ふみたけFUMITAKE

2012のふみたけFUMITAKEのレビュー・感想・評価

2012(2009年製作の映画)
3.4
地球物理学的規模の天変地異による大災害パニック映画。

この映画では結局、99%の大多数の人類が破滅的な死を迎え、ごくごく一部の超権力者、超富裕層、重要な能力者だけが、終末期の世界に生き残るという話が映像で描かれています。

エンディングの雰囲気だけは前向きな感じですが、冷静に考えると「なんだこれ?こんな結果の映画でいいのか」と人は思うのではないでしょうか。

僕らと同じ、多くの罪のない名もなき庶民たちがほとんど全滅することについて、飲み下せない人は多いのではないでしょうか。

そして、生き残った人類の中心にいるのは欧米を中心とした白人の人たち。日本人は、端っこの方におまけ程度にいる感じ。

そして彼らが生き延びるために乗り込む「船」は旧約聖書に出てくる「ノアの方舟」そのもので、主要な登場人物の子供の名前も「ノア」だったりしています。

つまりこの話は、欧米諸国目線の彼らの都合に合わせてて、さらに聖書の世界観に則った話であり、アジア人は、まぁ割と蚊帳の外な映画と言う印象を受けました。

数年前に初めて見たときは、「アルマゲドン」の粗悪な焼き回しと言う印象でしかありませんでしたが、今の世界情勢の中でこの映画を見ると、ある種の生々しさを僕は感じる様になりました。

これは正直、僕(ら)にはありがたくない事です。

生き延びられるのは「2ndドア」を通り抜けることを許された「富めるもの」だけ。

「1stドア」に長蛇の列で並ぶ僕ら99%の人たちを彼らは黙って見殺しにするんです。

そして主人公の家族は、列からはずれで動き回りながら自分たちだけの「3rdドア」を運と人の心に助けられて見つけ、辛くも助かります。

そんな主人公の家族も、結局、自分の身内だけをを連れて、他の人々を助けられるわけもないまま、やはり結局のところ見殺しにするのです。

このレビューを書いてる’20年3月は世界でコロナウイルスの流行による大混乱が起きています。

世界中で入出国が困難になり、国中の学校が閉鎖され、全て町からトイレットペーパーが消える。。

そのタイミングでYouTubeを中心に注目されている陰謀論「アングロサクソン・ミッション」とこの映画「2012」は見事にシンクロする様な気がする人は少なくないのではないでしょうか。

「アングロサクソン・ミッション」について、興味のある人は是非チェックしてみてください。

全てを真に受ける必要はありませんが、頭の片隅に置いておいてもいい様な気がします。

アングロサクソンミッションのソース:
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

また、「2012」が、なぜかこの状況でU-NEXTで新入荷されたのも偶然とは思えない感じさえ、個人的にはしています。

ただのつまらない娯楽映画の様に見えて、その中には、現実の世界の未来のシナリオを予めすり込む様に作られているものもあります。

例えばスピルバーグの「レディプレイヤー1」もそんな映画である気がします(これは面白い作品ですが^^)。そしてこの「2012」も。

ただ、この「2012」は公開当時のタイミングでは実現できなかったシナリオであり、実際にはこらから来ることなのかもしれない、なんて思ったりして。

きっと、語り合い、自分の頭で考え、思考力と習慣化を磨いて、的確な方向性で自分たちの社会を作り守っていく事が、今の僕たちには大切なのかもしれません。そんな気がしています。