ねこねここねこ

劇場版 きのう何食べた?のねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

よしながふみの漫画を映画化。
「大奥」とは全く違う作風なのに、どちらも素晴らしい!天才か⁉️

シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)の何気ない日常。何気ない日常なのに2人は男性同士のため、実家の母親(梶芽衣子)は一度は2人を受け入れようとしたが、前回2人が帰った後に寝込んでしまうほど拒否反応を示してしまう。大切な息子の大切な人を受け入れたい、受け入れなきゃいけないと頭で思っても、感情はついていかない母親の苦悩もよくわかる。そしてもうケンジを実家に連れてこないで欲しいと言う母親。

一度は母親の言葉を受け入れて、正月は一人で実家に戻ろうとしたシロさんだが、ケンジの気持ちを考え、再び実家に行く。
ケンジが俺の嫁ならこんな酷いことはないと真顔で伝えるシロさん、それをきちんと受け止めようとする母親。

LGBTはかなり理解も進み生きやすくなったとは言え、やはり普通の男女のカップルのようには受け入れられない現実もある。シロさんは受入れを強制するのではなく、母親の気持も理解しつつ自分の覚悟を伝える。

なんでも許容するのが進歩的で良いとする風潮には疑問もあるので、頭ではわかっていても感情的に受け入れられないという側の人間もいて当然なのだという前提で話が進むのもいい。

その上でケンジを大切にし、両親も大切にしてゆくシロさんのやり方は素敵。そしてシロさんに両親を大切にしてほしいと伝えるケンジや、ミートボール🧆を作りながら「これからは自分の家族を優先して」という母親も、人として大切なものをきちんと理解している。

勝手にお互いのことを「もしかして死ぬのでは⁉️」と心配して悩んだり、未だに小日向さんとシロさんを二人きりにしたくないケンジの不安や珍しく嫉妬するシロさんやら、ジルベールと小日向のやりとり、カヨコさんの明るさ、ほっこり笑えるシーンの連続。

その上料理番組なみの料理シーンやレシピなど、思わず🍎を買ってきて作ってしまったよ😄私のは始めからシナモンシュガー入り👍
とりあえず明日の朝の🍞にのっけて食べよう!
ミートボールはケチャップと麺つゆなのか!とか、こんな簡単にローストビーフ作れるの⁉️とか、あれこれ役に立つね。

蒟蒻の下拵えのシーンはアドリブなんだろうなぁ、楽しそう。

公開当時、食事をしていたら隣のカップル(男性二人👬)の片方が「きのう何食べた?」を観た話をしていて、なんかすごく微笑ましくそのカップルをチラ見してしまった。そしてお二人もお幸せにね♪と祈ってしまった。

他の方のコメントに、映画館で観ていてあちこちで女性が「可愛い」とか小声で話しているのが聞こえ、普通なら上映中のお喋りは不快なのに、この映画は他のお客さんとの一体感を感じて良かったと書かれてたけど、まさにそんな不思議な、人を笑顔にする映画🎬なのだ!

またドラマ版を見返してみようかなぁ。