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ジョン・ウィック:コンセクエンスのVeloのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

持つべきものは──友情とエイム。


▼盲目の暗殺者ケインがバリかっこいい。
現代ハリウッド版座頭市。
盲目故に編み出された独自の戦闘術はトリッキー。初見殺しとも言える奇想天外な動きで目の前に立つ者を亡骸へと変える。

▼そのケインに唯一対抗できるのは彼を昔から知る我らがジョン・ウィックのみ。
音を立てない、油断をしない。見えていようがなかろうが、それでようやく互角の対面となる。

▼そんな熱いバトルに水を差す邪魔者ノーバディ。バックパックに詰め込んだ大量の武器と傍らのイッヌを相棒にジョンウィックの懸賞金を獲りに襲いかかる。
ノーバディはすべての黒幕である主席連合グラモン伯爵に高額の懸賞金を約束させたつもりが都合の良い主従契約を結ばれてしまう。グラモン伯爵への不信感を感じながらも生涯年金となるであろう懸賞金を求めてジョンウィックを狙い続ける。

ジョンとケインは古くからの友人でありながら、主席連合グラモン伯爵の策略により、古来からの決闘により命を奪い合うことになる。

ジョンの決闘会場までの道のりでは数多のゴロつきが道を阻む。同じく懸賞金を求めて群がる有象無象のならず者たちだ。

その激しい首の取り合いの最中、ノーバディのイッヌが主席連合のエース級マッチョに殺されたかけたところをジョンウィックに救われる。ジョンは同じ愛犬家として敵のイッヌといえども見殺しにはできなかった。

お互い決して口に出すことはないが、ここで愛犬家同士の絆が芽生えた。ノーバディはジョンを殺そうとすることをやめ、ジョンとケインの決闘会場に同行し、その行方を見守ることに。

どちらかが必ず死ぬはずの決闘ルール。友情を信じたジョンウィックの大胆な機転により、決闘はまさかの結末を迎える。
その一部始終を見ていたノーバディの表情がとてもよかった。

金に目が眩み行動原理に私利私欲の文字しかないグラモン伯爵と組んでしまった自分がいかに愚かだったのか反省する表情。
イッヌへの愛を体現したジョン、そして背中を預け合うジョンとケインの友情に感服するような表情。
このノーバディの心の変化が好きでした。


▼ジョンウィックシリーズの見どころは毎回ユニークなアクションシーンを見せてくれること。
前回のパラベラムはウマを使った戦闘がとても新鮮な映像だった。
今回は終盤の寺院への道中の建物戦が新鮮だった。ジョンウィックといえば遮蔽の使い方の巧みさと射線無視の奇跡の弾除け術がおもしろいのだが、今回もすごかった。遮蔽と遮蔽を素早く移動してピストルで敵を撃ち抜いたかと思いきや、壁貫通のスーパーチート武器を拾ってぶっ放したり、着弾と同時に着火するチート武器を敵から奪い取りフル活用する。そんな激闘の建物戦を真上からワンカット長回しで見せていたのが新鮮だった。FPSゲームの回転ミニマップのような画面のちょうど真ん中で踊り続けるジョンウィック。その周りではバタバタと敵がダウンしていく。
ダウンという点で言うと、ジョンの確キル意識の高さも感じることができた。余裕があるときは倒れた敵にさらに3、4発銃弾を撃ち込んでいる。

▼寺院直前の222段の大階段で突き飛ばされてノンストップで転げ落ちたシーンはさすがに自分で回転しにいってて笑ってしまった。
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