俳優で演出家が主人公。設定も舞台もだいぶ演劇的で、そちらの世界の人からの評価が高いんだろうということが伺える。
自分が見ると、作りこまれていることに対する感動はあるが、一方で作りこまれすぎたのが気になってしまった。
自分は違いの判らない素人なので、銀座の料亭より北海道の寿司が好きだし、細部までつくりこまれた映画よりまっすぐ熱く語ってくる映画の方が好きなんだなと思った。
身近だけど全然知らない面を持っている人の喪失。
自分自身にも知らない面があることに気づく。
作られたテキストの繰り返し。創作が現実と向き合わせる。
現実を語る。現実が創作に近づいていく。
ラスト、新しい土地で、マスクを外すと傷が癒えていて、共時代性というかそういうのを使って創作からリアルに一気に近づける演出だと思ったが、そこまでいくと作りすぎでしょ、とも思った。
