眼鏡の錬金術師

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021の眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

2.4

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ41作目。リメイク作品としては新日本誕生以来7つ目にあたる。新恐竜は微妙だがリメイクとは言えないだろう。
現代の感覚からするとかなり殺伐とした作品に見えた。あんまり好きではないかなー。

基本プロットは旧作のままで、ピリカ星の軍部のクーデターにより一人逃亡した
大統領パピは地球にたどり着き、のび太らと出会う。敵が地球まで追撃しに来たため、のび太たちはパピをかくまう形でこの内紛に巻き込まれていく。
敵とすれ違い、しずかが捕まり、それを救出。そこからパピのためにピリカ星へ逆に攻め上がることを決める一行。臆病とかどうかよりも、他国の戦争に介入するのを短絡的に決めるのが危うい。
スネ夫が塞ぎ込んでから立ち直るまでが早すぎるかなー。ここはもっと溜めがあって良かった。
抵抗むなしく皆とらえられてしまったところ、スモールライトの効果切れによる巨人化で起死回生の勝利。
ドラえもんも効果切れがあるなら教えてよって感じだな。それがあるなら作戦の立て方も変わっただろうに。

身も蓋も無い言い方をすると、子どもに戦争をさせる作品。
まぁガンダムとかもそうだからそれ自体はいいんだけど、パピが指導者ってのがうまくないかな。戦争に翻弄される子どもたちって構図なら手放しで応援できるんだが、のび太たちが肩入れしてるのが大統領なので、どうしても戦争して勝つことが正義みたいな見えかたになってしまっているのはいかがなものか。やはり時代錯誤的だろう。
自由だろうが独裁だろうがそもそも戦争に正義など無いというガンダム的メッセージとか、はたまたパピがガンディー的思想で独立するとかなら良かったかな。
下手すると欧米の自由主義を刷り込むプロパガンダ作品にも見えかねない。

8歳に大統領やらせるのもヤバイ。パピがそれだけ優秀なのだろうが、それを成立させてしまう周囲の大人たちが情けないね。パピ自体は高潔で立派な人物で個人的には好きだけど。
ロコロコはずっとかわいかった。