眼鏡の錬金術師

アリスとテレスのまぼろし工場の眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

岡田麿里監督作。

ある日町の製鉄所が爆発した。ひび割れる空。その日を契機に見伏と呼ばれるその地域は集団神隠しのような状態になったようだ。
時間と空間が切り取られ、見伏に残った者だけの生活が行われている幻想的世界。

主人公は正宗少年。
ミステリアスなエロティック少女睦実に言われるがまま、製鉄所内で監禁させられている狼少女五実の世話をすることに。五実は幻想の世界に迷い込んだ現実の人間。狂信的な指導者により五実は何年も監禁されており、身体は成長してるのに言語も覚束ない状態。

心にひび割れを起こす人物がいると煙の狼が食べて消す。そして空がひび割れる場合も煙が修正してくれてたようだ。
住人たちがここが現実とは解離した幻想だと気付いたとき、幻想をなるべく長く維持するか、幻想を終わらせるかの選択を迫られる。
正宗は現実に五実を届ける決心をする。五実は正宗の子なのだが、正宗に恋をしてしまい、最後は母である睦実と父正宗を取り合うというかなりややこしい状況に。なんとか五実を現実に送ることに成功したが、結局幻想がどうなったのかは描かれない。

映像は美しい。物語はかなり独特だ。
設定とか、キャラの感情とかがやや複雑で、ストーリーラインが複数あったため、誰目線で盛り上がればいいのか分かりにくかった。なんかもっと佐上とか大人たち皆は罰食らっても良かったんではと思う。宗教的なのはともかく、何年も子どもを監禁してたのは、それを黙認してたのも含めてキモすぎ。
ませすぎ中学生たちの恋模様にどこまでのめり込めるかも課題になってくる。でも最近の岡田麿里って結構生々しい内容をやってくる印象はあるよね。
見た後に清々しさよりもドロっとした感覚が残る作品だった。でもだからこそ印象には残りやすいのかも。

題名になんでアリストテレスを入れ込んだのか分からんかった。しかもアリスとテレスであえてカタカナと平仮名を織り混ぜてるにもかかわらず結局アリスもテレスも出てこんし意味不明だった。