アーモンドフィッシュ

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

3.8
「ボディガード」を見た流れで鑑賞。観客がかなり少なくて私を入れて10人も居なかったと思います。ホイットニー・ヒューストンぐらい有名な人でも人が入らないんだから、ボヘミアン・ラプソディ系の映画はそろそろ飽きられて来てるのかもしれません。

内容は私自身がホイットニーが好きだったこともあって、かなり楽しめました。ただどうしてもボヘミアン・ラプソディの二番煎じ感が否めない所も(挫折しそうになったりなんやかんやある→復活して歌を熱唱する→エンドロールが本人映像etc)…最近のアーティスト伝記映画のトレンドなんでしょうか?エルヴィスやリスペクトでも同じでした。もっと言うとヴィーナス・ウィリアムズを描いた「ドリームプラン」も同じでしたね。

ホイットニーはバイセクシャルだったということや流産してたこと、父親が金を横領してたことが描かれていて色々驚かされました。物語を通して思ったのはホイットニー・ヒューストンという人は深く思い詰めたりしない人なんだなと感じました。最後のシーンを除いて思い悩むシーンがほとんど無いんですよね。何か嫌なことや悲しいことがあっても次のシーンでは歌っていたり笑っていたりするんですよ。常に明るい人なんです。そういう自分を維持するためにドラッグに走ったのかもしれませんが…。その最後のシーンというのが、自らのスランプに悩み浴室でドラッグを使うシーンです。顔色が悪く窶れて涙を流す極限の状態を演じたナオミ・アッキーの演技は素晴らしく見事だと思いました。あと彼女は浴室で亡くなったことを知っていたので、このシーンはかなりドキドキしました。

アカペラのシーンはナオミ・アッキーの声らしいですが、かなり上手いです。正直歌手レベルだと思います。一方コンサートのシーンはホイットニーの声なんですが、アッキーには申し訳ないけど全然レベルが違います。陳腐な表現ですが最高の歌声です。さすが”ザ・ヴォイス”と言われるだけあります。歌が上手い人と超一流の違いがよく現れたと思います。

ボディガードの内容を聞いて「つまんない」と台本をゴミ箱に捨てるんですが、共演者がケビン・コスナーと聞くと慌ててゴミ箱から拾うシーンは笑いました(周りも笑っていましたよ)