タケイ

ボーはおそれているのタケイのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

弱者男性なのでガチで、大いに刺さってしまった……。冒頭から色んな暴力を受け、錯乱しながらわけもわからず追われるボーが気の毒という気持ちと、ずっと被害者あるいは誰かの客として生きてて「自分の村」を見つけられない中年男性への情けなさとが同時にある。アタオカギャルに遊ばれたり、「〈Perfect Safe〉」の理念のもとずっと監視されてる閉塞感も相まって、絶望的な無力を感じながら観ていました。最後に殺害という悪によって母を克服したかと思いきや、産道の先が水に満たされたドーム状の裁判所になっているという、いつまでも外の世界からボーを引き戻す「guilty」や「afraid」のメタファー(胎内に原初的に併存する快楽と死のモチーフは、僕の卒論のテーマとも重なりそうな……)。一番共感できてしんどかったのが、芝居のシーンで、内面でどんどん妄想を膨らませておきながら、ストーリーに自己矛盾を生じてしまいスッ……って現実に戻るところ。いや、おれじゃん!!!! この妄想癖、パニック障害、〈母〉への執着(〈母性〉は本来ママという人間のいち側面でしかない)と自己正当化、パリピへの引け目、身体的なコンプレックスも……全部おれの話!?!?!? やめてよ!!しかも死亡エンド!!!😭

僕は生まれなきゃいけないな。羊水で溺れ死ぬのは苦しそうだった。しっかり自分で生きて、料理とかする。

PS.実家で恋人が腹上死するところを母親に視られる←普通に地獄だなこれ。
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