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めちゃめちゃ楽しみにしていた作品だ。
私は日本のオリジナル版が、かなり大好きである。
何度も観ている。
ネタを知っているのに、何度も観ている。
あの作品をリメイクしていただいて有り難うございます、なのである。
オリジナル版を観る事なくこの作品を観た人など、フランス人以外まずいないだろう。
だから、ストーリーは紹介しない。
ネタバレも普通にする。
なぜなら、ほとんど同じだからである。
監督はあの「アーティスト」のメガホンを取った方である。
申し訳ない、ご芳名は失念したが、非常に映画愛を感じる監督さんなのである。
オスカーも受賞している。
そんな有名監督が、手作り感満載なオリジナル版に敬意を表して、手作り感溢れる作品に仕上げてくれているのだ。
もっとお金をかけて、洗練された作品にする事も可能だったはずだ。
しかし、かなりオリジナル版に忠実に作ってくれているのだ。
何が面白くて、どの部分に価値があるのかをよくご理解しているのだろう。
非常に満足のいくリメイク版となっている。
改変している箇所ももちろんある。
音響担当を登場させたのはグッジョブであるし、最後のオチもいい。
その他、細かい変更もあるのだが、かなりの場面で既視感を感じる作りとなっている。
オリジナル版と違い有名俳優が出演している点に若干の危惧を抱いていたが、問題なしだ。
考えてみれば、演技が上手い事がマイナスになるなんて有るはずがないのだ。
オリジナル版ファンも納得の作品だと言えよう。
私はフランス人俳優には詳しくないのだが、ロマン・デュリスとベレニス・ベジョ
は知っている。
デュリスは私が大好きなロマンティックコメディ「タイピスト」に出演していたし、「ルパン」や「ドーベルマン」なども観ている。
お馴染みの俳優さんだ。
やけに綺麗なお母さんやなと思っていたら、ベレニスだった。
つい先日、「アーティスト」を観たばかりなのだ。
これは嬉しい偶然だった。
いや、果たして偶然なのだろうか。
何者かの配剤を感じる。
運命かもしれない。
私たちは出逢うべくして出逢ったのだ。
よし、プロポーズしよう。