夕

わたしは最悪。の夕のレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.8
ユリヤにめちゃくちゃ共感してしまった、テキトーですぐ新しいものに目移りしてしまう、そのくせ何か一つ自分の価値として手に取って眺められるような形が欲しい
テキトーな自分に真剣になればなるほどハタから見ると「最悪」な人間になってしまう
出会いや経験をその都度忘れて前に進む、なんて清々しさとは真逆で、過去の会話や気持ちが質量を伴って彼女の心に堆積しているのがよくわかる、彼女が駄文と唾棄した草稿の内容がいかにノンフィクショナルな心情風景であったか…

アクセルが有害な男性性をあからさまに付与されてる反面、ポストフェミニストとの議論の場ではそれでもアクセルに肩入れしたくなるほど彼女たちの望む排斥的な正義の思考が受け付け難く聞こえる、わずか3%の血液でサーミ人としての使命に芽生えた環境活動家の女の話も然り、テキトーでほとんどノンポリなユリヤが主人公である意味を考えさせられる、ぼくの感じているものとすごく近しい主張がこの映画でされているような気がする…
ぼくはこの映画のキャラクターたちの誰よりもユリヤが推せる
夕