ハヤシ

最後の決闘裁判のハヤシのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
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ひとつの出来事でも、そしてその当事者同士でも、これだけ捉え方に違いが出てしまうものかという。絶望であり恐怖である。

同じシーンでも人によって、覚えている/いない言葉が違っていたり、その言葉のニュアンスや発したときの表情が違っていたり。それを特に強く感じたのが、キスの強要のシーン、暴行のシーン、告白のシーンだった。

中でもマルグリットが暴行のことをジャンに告白するシーン。ジャンの章を見たときは、"You must believe me."と主張したマルグリットにすごい(語彙不足…)と思ったんだけど。マルグリットの章で同じ台詞を言う彼女は、ジャンに脅されて怯えているようにしか見えなかった。

もしかしたら暴行のシーンでは、マルグリットが思っていたほど実際には抵抗を表に出せていなかったのかもしれない。もしかしたら告白のシーンでは、ジャンはそんなに強くマルグリットを責めていなかったのかもしれない。でもマルグリットにとっての真実はあの第3章なんだよな…と思ったんですけど、第3章の扉のところで「真実」ってなってたんですか?(確認できてない)

マルグリットの章を見てからジャンの章を思い返したりその後の決闘裁判のシーンを見たりするとジャンも無理すぎる…妻はお前の所有物じゃねえ…そこは時代背景的に弁明の余地があるかもしれないけど、自分のこと良い夫だとか妻を大切にしてるとか思ってるんだろうなと思うと虫唾…

決闘裁判のシーンも、もうどうでもええわ…になった。茶番じゃないですか。マルグリットの命運がかかってると思ったら全然どうでも良くないんだけど、それを忘れてしまうぐらいもうどうでも良かった…いや〜まじしんどいな…
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