MamoruTakahashi

ベルファストのMamoruTakahashiのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.6
少年がひたすら可愛い映画
というだけでなく、
言葉ではひとつひとつうまく言い表せないけれど、
人生にとって何か
とても大切な事を教えてくれる映画だった

子どもの無垢な楽しみと
大人の間の非情な宗教的対立に経済事情、
その構図からすると、
愚かな大人たちを糾弾しそうだけど、
お父さん(ろくでもないところもあるが)と、
お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん
みんな愛に溢れていて、
悲しい事、辛い事は沢山あれど、
切なさの中にじんわりとした優しいものを
もらえる映画でした。

題材としてベルファストの悲しい歴史
(イギリスでは厄介事(the trouble)と言われてるようだが厄介ごとなんてものじゃない、ほぼ戦争)
が描かれていて、凄惨で辛く悲しい映画としても描けたと思うけれど、そこにある小さな日常を大切に描く事で美しさの残るストーリーになったと思う。監督の生まれ故郷であり、私的な記憶が背景にあると思うと、キレイごとだ!とも言えない奥行きも感じさせるね。