ラブストーリー…には感じなかったな。
他のレビューにもあるけど、終始映像が芸術的、絵画的。撮り方一つでこんなに見え方違うんだ!とびっくり。
分かりやすい映画ではないから2回目観て「ああ!」となるポイントが多い。
「遺された人間」が根底にあるから、終始流れる虚無感というか切ない質感が伝わってくる。
最初から何もかも奪われた孤児、急に息子を奪われた遺族。失うタイミングが違えば感じる苦しさも違う。
「失うものがないのはあなたの強み。武器にしなさい。幸せな子ね。」って、突然息子を失ったという前提がなければスゲー嫌味でムカつくけど、ママはママで、喪失感からどうやっても逃れられないのだろうな。
いろんな痛みを、言葉にして文字にして、自分の生きた証が本という「モノ」になって人に伝搬していくって素敵。
主人公の強さを感じたな。孤児であっても他者と一緒に生きていることは変わりなくて、主人公がそれをちゃんと噛み締めて生きているように感じさせる物語の運びが好きでした。