カツムラ

オッペンハイマーのカツムラのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いや〜〜待ったな〜〜
初日IMAXで鑑賞。

まず自分は地元が広島で、小学生の頃から原爆に関する授業を聞いたり、原爆資料館に行ったり、被爆者の方の話を聞く授業もあったし、はだしのゲンを学級文庫でしょっちゅう読んだりしてた。

かつ、クリストファーノーラン作品の大ファンで、新作はなるべく当日に行くし、TENETはハマりまくって5回映画館に行ったりした。

また、自分は広告系の仕事をしてるサラリーマンでもある。


で、そういう自分の中の"いろんな自分"がみんな違う感想を言っていて感想が全然まとまらなかった…のでバラバラのまま書きます。


⚫︎広島出身者として
原爆を落とす場所を議論する会議のシーンは本当にキツかった。「京都を標的から外そう。あそこは素晴らしいから残した方がいい。以前家族で訪れたんだが…」って語り出すシーンはマジで「何様だよ!!ふざけんな…!!!」ってなった。
「Hiroshima」「Nagasaki」ってワードが出た瞬間の劇場内のピリッとした空気、すごかった。
あとは、やっぱ原爆の現地の様子を少しでも出して欲しかったなとは感じた。投影してるプロジェクターのシーンとか、入れることは出来たのに…
まあだが、前情報ほど日本へ配慮が欠ける感じでは無かった。
具体的な描写は無いけどイメージと心理描写で匂わしてはいたし、アメリカ資本で描くとあれが落とし所なのか〜的な。


⚫︎ノーランファンとして
会話劇が多いが流石ノーラン!音響と映像と編集で全然退屈しなかった。IMAXで観たけど音が特に良い。
研究の為に、アメリカ中の優秀な物理学者を家族ごと荒野のど真ん中に集めて、家を建てて病院を建てて学校を建てて、村を全部作っちゃうくだりとかゾクゾクした。カッケェ〜〜〜!物理学者のアベンジャーズじゃん…
人を集めるとこ、政治活動してた経験がめっちゃ生きてて「人生〜〜」ってなった。昔やってた何がどこで生きるか分からんよね。
最初の点火までのカウントダウンの緊張感エグい。そして爆発が思ったより小さいのもなんかいい。

ただ、確かにすごく良く出来た映画だが、ノーラン映画の「映像的な全く新しいトンデモ体験」が見たい自分としては、満足感は弱く感じた。砂漠のシーンとか馬で森を散歩するシーンは良かったけど。
TENETのIMAXカメラを逆回転で撮影して、俳優たちに逆回し演技をさせてハチャメチャリッチなヘンテコ映像とか、INCEPTION、インターステラーみたいな誰も見たことない世界とか、ああいうの観たいのにな〜

会議中にオッペンハイマーが全裸でS○Xし始めるシーンはちょっと唐突過ぎてギャグっぽく感じた。


⚫︎サラリーマンとして
途中のオッペンハイマーがガンガン優秀な物理学者を集めて研究に没頭するところ「…これ、クソデカキャンペーンの時の会社じゃん…」ってなった。
「とにかくどうにかしなくては!!!」みたいな締切に向けて全員一丸となって超アドレナリンが出まくって、多少の不義理とか関係なくとにかく納品までやり切るんだ!!!みたいな空気が…
プロジェクト真っ最中のオッペンハイマーみたいな、目がガンギマリ状態の上司、見たことあるぞ…
能力がある人間に大義と使命感と権力を与えれば人はああなる、ってのが、なんか実感として分かってしまった…怖い…



そんな感じでした。
複数の感想がバラバラ過ぎて点数はつけれませんでした。
映画館で観て良かった。

アカデミー賞取れたし、ノーラン監督には、次はめちゃくちゃ金を集めてスーパートンチキな映像を撮ってほしい。「こういうのやりたいんや〜〜!!!」って全力でバット振ってる感じのやつたのんます!


あと、山崎貴監督がアカデミー賞授賞式後に「日本人として、いつかオッペンハイマーのアンサーを作りたい」と言ってた件で、岡田斗司夫氏が「山崎監督は『実写版 はだしのゲン』を作るといいのでは!」って言ってたのだが、結構アリな気がする。
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