2024/03/30
(18本目)
昭島
「オッペンハイマー」
プロメテウスは天界の火を盗んで人類に与えた。人類は火によって寒さに凍えることは無くなったが、その火を使って争うようにもなった。
このプロメテウスがオッペンハイマーということ。オッペンハイマーが中心になった原爆誕生までと、米原子力委員会での様子と、オッペンハイマーはソ連スパイなのでは問題とが同時に描かれる。登場人物も多いが「何が起きてるか、これから何が起ころうとしてるか」はだいたいわかるし、テンポも良いから観てて苦にはならなかった。
ナチスと戦うために作られた原爆がヒトラーが自殺したあと、日本に投下されるまではとても恐ろしくかんじた。原爆の実験が成功して科学者達が「自分たちの理論は正しかった」と喜ぶが、その作られた兵器がその後どう使われるかは想像してなかったの、考えないようにしていたのか。
威力の酷さは理解していたから、原爆投下に反対の署名を集めたのだろう、それにサインしなかったオッペンハイマーの罪は大きい。
実験の成功を喜ぶシーンで、原爆の炎に焼かれる人達を幻視するのがとても怖かった。
「原爆を作ったヤツのことを広島の人は恨まない。落とした俺を恨む」といったトルーマンの言葉が心に残った。