ヒロオさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.0

中国の田舎を舞台に、少女の純朴な恋心を描いた作品。

とある青年が父の訃報を受けて帰郷すると、そこには父の死を深く悲しむ母がいた。
時は遡り、若き日の父と母の出会いが追想される。

母の父に対する一途
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

タイの山村で、代々女性に女神が憑依する一族の娘が、突然狂い始める話。

果たして彼女に取り憑いたのは、女神なのか、悪霊なのか…?

作中ではその正体が指摘されるが、そもそも証明なんて不可能な世界。
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.6

車とセックスして妊娠したショーガールが、弾みで何人か殺してしまって行き場を失ったところを謎のオッサンに拾われ、彼の死んだ息子の代わりとして扱われる話。

↑に書いたように、ぶっ飛び展開の連続で、意味不
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.6

ゾンビの襲撃から逃れ、田舎の民家に逃げ込んだ人々の混乱を描いた作品。

ジョージ・ロメロの長編デビュー作にして、後のあらゆるゾンビ映画の祖となった作品。

本作によって「ゾンビは脳を破壊しないと死なな
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めがね(2007年製作の映画)

3.7

離島に一人訪れた女性が、島に集まった人々とゆるーく交流し、馴染んでいく話。

来るもの拒まず、去るもの追わず。
付かず、離れず。
そんなさりげない空気感で、島で一緒にたそがれる人々の様子が心地良かった
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.1

第一次世界大戦で婚約者を喪い、悲しみに暮れるドイツ人女性の元に、敵国だったフランスから「婚約者の友人」と名乗る男が現れる話。

これは唸った……。隠れた名作。
この魅力は言葉では語り尽くせない。

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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.9

クリスマスの夜に赤子を拾ったホームレス3人が、その親を探す旅に出た結果、とんでもない騒動に巻き込まれまくる話。

面白かった!
笑いあり、人情あり、衝撃展開ありで、最後まで予想のできないストーリーだっ
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.8

大阪で特殊詐欺を生業とする姉弟が、とある事件をきっかけに、方々から追いかけられる話。

前半は、情報量の多さとスピード感についていくのがやっとだった。
関西弁や裏社会の設定も、馴染みがない私にとっては
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

会社で働き詰めの1週間を繰り返していることに気づいた広告代理店の社員たちが、一致団結してタイムループから抜け出そうとする話。

タイムループものが苦手な私でも、とても楽しめた。
上映時間が短く、サクッ
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そばかす(2022年製作の映画)

3.4

恋愛感情や性的欲求を抱いたことがない30歳実家暮らしの女性の話。

うーん…トンチキ映画だった。

主人公が30歳とは思えないような行動をするのにまず引いた。
加えて、登場人物の情緒もおかしく、突然に
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パリの恋人(1957年製作の映画)

3.4

お堅い書店員のオードリーが、突然ファッション雑誌の撮影に巻き込まれ、その勢いでモデルになっていく話。

パリを舞台に、カメラマンとの恋模様も描かれている。

コメディ混じりのミュージカルロマンスといっ
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

5年間夫と離れたことがなかった女が、夫の出張を機に、3人の女友達を訪ねる話。

「逃げた女」というタイトルからして、韓国の女性が置かれる境遇と、彼女らの本音が明らかになる社会派ヒューマンドラマかと思い
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.3

シベリア抑留を経験した日本人、山本幡男を描いた作品。

鑑賞後に調べて驚いたが、この話は全て実話であるとのこと。

日本の降伏後、満州にいた日本兵はソ連の捕虜となった。
彼らはラーゲリと呼ばれる収容所
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.2

鬼太郎誕生の前日譚。

日清・日露戦争において日本兵の強さの源となった薬『M』の秘密と、その創業一族が抱える闇に、鬼太郎の父と、元兵士の水木が迫る話。

実は年末の映画納めに鑑賞した本作。
とても面白
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

駆け出しのテナーサックス奏者が、ジャズの高みを目指す話。

主人公は凄腕新人ピアニスト、初心者ドラマーの2人とトリオを組み、「10代のうちに日本一のジャズクラブで演奏する」という無謀な挑戦に挑む。
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泥棒成金(1954年製作の映画)

3.4

かつて宝石泥棒として名を馳せた男が、新たに起こった宝石盗難事件の犯人だと警察から疑われるなか、真犯人を追う話。

とは言ったが、ほぼラブロマンス。
ヒッチコックには珍しく、サスペンス要素は無いに等しい
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プラトーン(1986年製作の映画)

3.6

ベトナム戦争前線という極限の環境で、兵士の人間性が狂う様を描いた作品。

本作は、ベトナム戦争の帰還兵である監督の体験を基に作られた。

ジャングルの過酷な自然環境、仲間内での殺人、ベトナムの民間人に
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.8

9世紀の北欧を舞台に、王である父を叔父に殺された少年が成長し、復讐の獣と化す話。

北欧神話やヴァイキング伝説をベースとする壮大な復讐譚で、非常に見応えのある作品だった。

作品には、北欧神話の主神オ
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スピード(1994年製作の映画)

3.8

時速80キロ以下になると爆発するバスを巡って、爆弾犯とSWAT隊員の攻防を描いた作品。

次々と起こるスリリングな展開から目が離せず、あっという間の上映時間だった。
爆破シーンも相当派手で、見応えバッ
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

3.5

ジャンヌ=ダルクが異端審問を受け、火刑に処されるまでを描いたサイレント映画。

信心深い純朴な少女が、権力と欺瞞に塗れた異端審問官たちから精神的リンチを受け、次第に衰弱していく様子が描かれている。
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

『X』のイカれ殺人鬼婆の60年前を描いた前日譚。

マジで爆笑映画。

時代は、第一世界大戦のころ。
『X』にも出ていた夫は出征中。
パールはダンサーになることを夢見る傍ら、実家の農家の手伝いをしなが
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沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

4.5

少年ゲリラ兵、戦争マラリア、軍による民間人虐殺など、沖縄戦の知られざる事実に迫ったドキュメンタリー。

沖縄戦といえば、第32軍司令部の置かれた南部での激戦の印象が濃く、他の地域の被害についてはあまり
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.9

精肉店を営む夫婦が、ヴィーガンの肉を売ってみたところ、店の経営も夫婦仲もみるみる良くなって…?!という話。

フランス発のブラックコメディ。

想像以上にめっちゃ笑った。
ハムをつまみに鑑賞。

まず
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.8

17世紀に同性愛で告発された修道女、ベネデッタを主人公に、性、欲望、権力うずまく愛憎劇を描いた作品。

中世ヨーロッパの雰囲気に触れたくてチョイス。

同性愛、女同士の裏切り、ペストの脅威、キリストの
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.8

失踪した母の行方を知るため、デジタルネイティブの娘が、インターネット上であらゆる手がかりを探す話。

パソコンの画面上だけで作品が完結するというアイデアは、今でも斬新さがある。

前作の方が面白かった
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二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)

3.7

銀座の有名寿司店、「すきやばし次郎」の店主で85歳の寿司職人、小野二郎のドキュメンタリー。

最近、寿司が好きなので鑑賞。

まず寿司について言うと、めちゃくちゃ美味そうだった……!
芸術級に美しい見
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トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.1

妻から一方的に離婚を申し立てられた男が、奇妙な出会いを糧にし、妻を見返そうとする話。

トリコロール2作目。

観た人にしか分からないと思うが、これまた絶妙なコメディで、非常に良い作品だった。

本作
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.0

交通事故で夫と娘を喪い、悲しみに暮れる女性の再生の物語。

トリコロール1作目。

面白いというよりも、映画として非常に良く、ストーリー、映像、音楽のどれもが一級だった。

本作において特に私が良かっ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

配管工の兄弟が、迷い込んだ異世界でクッパを退治する話。

話は先が読めすぎたし、あっさりしすぎていて面白くはなかったが、映像は観ていて非常に楽しいものだった。

マリオってイタリア人じゃないんだ。
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.2

芸能界を目指して上京した女子が闇堕ちしていく話。

軽い恋愛映画みたいなポスターして、超絶胸糞映画だった…!人汚い系。

序盤は『明け方の若者たち』的な普通の恋愛映画だった。
駆け出しカメラマンの青年
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.6

貧しい青年が、富豪の友人を殺害し、成り代わり工作を行う話。

期待したほどではなかった。

音楽は抜群に良いし、皮肉がいっぱい(笑)のラストも最高に好みだった。

だが、ストーリーが面白くない。
成り
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.8

望まぬ結婚を目前にする貴族の令嬢と、その肖像を描く女性画家の、儚いラブストーリー。

美しい作品だった。

時代や立場により、叶うことのない女性同士の恋愛。
その燃えるような恋心が、静かに、繊細に描か
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.9

アルキメデスが遺した、人類の歴史を変える「運命のダイヤル」を追い、老齢のインディーがナチスの残党と張り合う話。

子供の頃から大好きなシリーズ!
マッツも出ている!
ということで補正かかってこのスコア
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.8

サンタが武装集団の襲撃に巻き込まれ、それを返り討ちにする話。

クリスマスになると『ホーム・アローン』が観たくなるが、今年はこちらをチョイス。

血まみれアクション×クリスマスファンタジーという斬新な
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昼顔(1967年製作の映画)

3.8

何不自由ない結婚生活をおくる貞淑な若妻が、抑圧された性欲を解放すべく、夫に隠れて昼間に体を売る話。

初っ端からアブノーマルな展開に驚いた。
この時代からすれば、かなり過激な作品だったのでは?😳

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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

完璧主義の超天才指揮者が、スキャンダルにより転落していく話。

スタイリッシュかつ、ドキュメンタリーのような自然な雰囲気があり、話の内容に反して、心地良さを感じる映像だった。

話の運びは淡々としてお
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