Arsenyevichさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Arsenyevich

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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.5

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心に刺さった「ナイト・オン・ザ・プラネット」に続きジム・ジャームッシュ作品鑑賞。が、こちらはハマらなかった…

全て狙いとおりなんだろけど、
説明せずにベタっと塗りたくったような画面構成とストーリー。
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.1

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ここ最近どの映画を観ても全くハマらなくて、ふと思い出して再鑑賞した本作が、バッチリ今の自分に降り落ちてきた。

各都市のタクシー内で繰り広げられる何気ない会話とやりとり。
そのどれもが、いつもの会話、
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

3.5

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キューブリック27歳の時の実質ハリウッドデビュー作。
若さと勢いと、練り上げられたカット割。
映画を盛り上げていこうとする意気込みが、画面からひしひしと伝わってくる。

この当時から、言葉では形容し難
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(1954年製作の映画)

3.5

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過去の名作再鑑賞。
のつもりだったのだが…
こんなにどん底のストーリーだったのか。
改めて見て、完全に心を突き落とされてしまった。

フェリーニと言えばお祭り。
本作も、旅芸人達の奇妙奇天烈な顔芸や綱
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レベッカ(1940年製作の映画)

3.6

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再びヒッチコック作品鑑賞。
名だたる映画監督が称賛していたので、
だいぶ期待をしていたのだが…
冒頭の20〜30分があまりに退屈過ぎて中断しそうになったが、
なんとか堪えて城に辿り着いてからは、その魅
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オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-(1960年製作の映画)

3.4

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ジャン・コクトー作品初鑑賞。
詩人として名高いコクトーが、
ここまで映画に傾倒していたのは知らなかった。
自身、主演までこなしてた事にビックリ。
大学教授みたいな優男振りも、衝撃。

映画の中身として
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めまい(1958年製作の映画)

3.6

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幾つか見たヒッチコック作品とは、テイストがまた異なる不思議な作品。
全編に漂う落ち着いたトーンと色彩美。
心のトラウマを抱える主人公と不安定な精神状態のヒロインの心理描写が、
めまいショットのみならず
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.0

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ずっと見たかったスパイク・リー監督作品。
若干30歳足らずで監督から主演までこなすマルチプレイヤーな能力に脱帽。しかもこの錚々たる役者陣を前にして、だ。

陽気なDJ役のサミュエル・L・ジャクソンの迫
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.5

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アキ・カウリスマキ監督作初鑑賞。
中年の悩めるオジサン&オバサンのロードムービーと言った所か。
全体的に笑いの要素とかが、狙い過ぎてる感が半端ない(この辺は、人によってツボな人にはハマるんだろうな)
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.1

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久々の再鑑賞。
まさか再び観れると思っておらず、
U-NEXTさんのマニアックchoiceに感謝。

29分の短編に凝縮された珠玉のモノクロ写真・映像美は、無駄が無く洗練されていて、今見てもスタイリッ
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(1963年製作の映画)

3.8

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動物系パニック映画の元祖であり教科書。まさにお手本のよう。
鳥が人間を襲う。ただそれだけのストーリー展開に込められた情熱的な演出の数々は、今見ても胸が熱くなる。

ドリーショットでゆっくりと、増え続け
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

3.4

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ヒッチコックの得意とする巻き込まれ型映画の一つ。
物語序盤までの不条理劇は、その後数々のサスペンス映画で世襲されたであろう展開と、テンポの良い小刻みなカット割でグイグイ引き込まれる。
がしかし、キーと
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泥棒成金(1954年製作の映画)

3.2

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続けざまにヒッチコックを見続けている中、これは意外だった。

普段全く鑑賞の対象にはない、いたって王道のラブコメ。
頼まれて作ったのか本人の意志なのか分からないけど、こういうのも範疇なんすね、監督…
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ロープ(1948年製作の映画)

3.9

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映画好きの知人のイチオシ作との事で鑑賞。
タイトルにもなっている「ロープ」に鑑賞前から意味深な期待を持ち過ぎてしまった感あり…

それでも見応えは充分。
一見ワンカット風な作り込みが、
演技する役者、
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ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

3.9

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小さい頃に見た古畑任三郎を思い出した。
完全犯罪とは?
企む人間と巻き込まれる人間、それを暴く人間の折り重なる深層心理と群像劇。

ほぼ一つの室内で展開される登場人物達の会話が全て。ストーリーが進むに
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.5

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池袋新文芸坐のオールナイトで、
本作を鑑賞したのは今から15年以上も前。
ゴダール映画祭の定番であるイビキの木霊する館内で3〜4作目に上映された本作。
何故か物語の断片が記憶に深く焼き付き、
ゴダール
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裏窓(1954年製作の映画)

4.2

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これぞヒッチコック劇場!と言わんばかりの巧みな演出のオンパレード。

限られた密室と窓。
動線は、視線の往来のみ。
覗く側、覗かれる側の行き交う視線の動きだけで作り出すスリルと緊張感は、10年振り以上
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サボタージュ(1936年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

暫く続いたヒッチコックブーム。
残念ながら、本作は全くハマらなかった。
時代的に古すぎるためか、
破壊工作の意図も、当時の時代背景も理解するに至らず…

アリバイ確保の為、時限爆弾を平気な面で子供に託
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鬼火(1963年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「死刑台のエレベーター」に続きルイ・マル監督作品を鑑賞。
この手の陰鬱な作品は苦手なのだが、前作に続き、モノクロ撮影技法と音楽のセンスがズバ抜けてる為、最後まで見入ってしまった。
モーリス・ロネの小洒
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

完全犯罪を目論んでいた男が、
凡ミスでエレベーターに閉じ込められる。
その凡ミスに乗っかり奇想天外な犯罪行為を繰り広げるバカップルの2人。
ただこれだけのストーリーなのに、
演出も、バックに流れる音楽
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

3.8

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知人のヒッチコック好きに勧められて。
何より1930年代に作られた映画である事が、今見るから新鮮だし、最大の魅力なのかなと。
小芝居にしか見えない銃撃戦や殺しのテクニック、撮影技法や録音も、実験映像の
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間違えられた男(1956年製作の映画)

3.2

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とにかく最強に運が悪過ぎる男の半生と、彼を取り巻く周囲の悲惨過ぎるその後の人生。
最終的にハッピーエンドである事をチラつかせるけど、それまでの過程と事実が壮絶すぎて、鑑賞してるだけで気持ちがゲンナリし
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.9

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自分より一回り若い映画仲間が、ここ最近どっぷりヒッチコックにハマっている。
こりゃいかんなと潔く鑑賞。
そして「裏窓」だけ観て敬遠し続けてきた事を軽く後悔。

演出の妙。
今見るからこそ逆に新鮮と言う
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地球の静止する日(1951年製作の映画)

3.5

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こういうの好きだなぁ。
今から70年も前に、こんな作品が作られていた事に先ず驚き。

いわゆる典型的なSF作品/宇宙人侵略型とは一線を画する作り。
世界大戦後の束の間の一体感が生み出したのか、背景まで
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甘い生活(1959年製作の映画)

3.8

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生粋のお祭り男フェリーニ監督作、久々の再鑑賞。
他人の乱痴気騒ぎで寂しさを紛らわしたい時には丁度良い。

チャラ男でイケオジ過ぎるマストロヤンニが数々の女優達に振り回されて自分を見失う設定は「8 1/
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沈黙(1962年製作の映画)

2.8

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神の不在。
この重すぎるテーマ故に今まで敬遠し続けてきたベルイマン作品。
UNEXTの視聴可能期間が差し迫っている事を知り、遂に鑑賞!

変わらずのぶっ飛んだショットにカメラワーク。狂気じみた精神性の
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モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.4

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画家モディリアーニ。
繊細でプライドが高く、独りよがり。
世間体から見たらどうなのよ?って部分は沢山あれど、短すぎる彼の人生に魅了され、振り回される人、寄り付く人、利用する人。
とにかく惹きつける要素
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ローラ(1961年製作の映画)

3.7

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ジャック・ドゥミ監督作、初鑑賞。

モノクロの美。
窓辺に立つ登場人物達の光と影の躍動感。
ボヤけた顔の輪郭線と陰影のコントラストの映し方、素晴らしすぎる。
決して明るい話ではないのに、アヌーク・エー
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

3.8

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近頃はどの映画もCGの加工演出が優れ過ぎていて、何の心配もなしに見れてしまう。だからこそ、ドキドキすることもあまりない。

CG加工一切なし。
このアナログ感こそが唯一無二のスリルだなぁと改めて実感。
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若者のすべて(1960年製作の映画)

4.0

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本年度2作目。
胸を締め付けられる思いで見た。
久々の熱い人間ドラマ。
ヴィスコンティ、流石やな。
約3時間近い超大作も、本作なら見れてしまう。

役者陣の名演技もさる事ながら、
何よりアラン・ドロン
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.1

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映画全体を覆い尽くす、ただならぬ怪しげな雰囲気とボヤけたモノクロの映像美。
どの演出もどストライクで好みのテイスト。
がしかし、
度々繰り返される俳優陣の静止画を装ったカットや、蝋人形のような動きが、
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ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー(2010年製作の映画)

3.0

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2人の映画作家による友情と訣別の物語。
それ以上でも以下でもない。
道案内役の女性の出演は、はっきり言って謎。それよりも、2人に挟まれ俳優人生そのものを翻弄されるジャン・ピエール・レオに焦点を当てたほ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

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良くも悪くも、アカデミー受けする作品に仕立て上げたな、と。
細かな説明などは行わず、流麗な映像美と出演者達の目線、動きの中で、小説の中の文脈を鑑賞者に委ねるような構成がとにかく美しい。
ダントツに響い
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

1.0

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今年観た中で、1番のワースト映画決定!
くだらなさの中に笑える要素が一つでもあるかと思ったけど、コミカルな仮想日本の描き方も、イギリス風会話劇も、全てが寒く、滑ってる。もはやセンスのかけらも感じない。
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画好きの知人に勧められて。

久々に、90分間魅入ってしまった。
スタジオという狭い空間で、レコーディングが完了するまでのたった1日の出来事。
その舞台裏で、丹念に描かれる人種問題、アメリカの歴史の
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

最近どの映画を観てもピンと来ない。
そんな時、急に思い出して再鑑賞した本作。

初めて観たのは14歳の頃。
当時はよく飲み込めなかった大人な事情の数々も、今見るとなるほど、とw

タランティーノ映画最
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