津軽系こけしさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

ゾディアック(2006年製作の映画)

4.2

6発撃ったか、まだ5発… なんていう決め台詞はない、真摯で謙虚な映画です。


ダーティハリーがゾディアック事件を元に製作された作品だということは知っていたが、まさかゾディアック事件からそれほど年月も
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メタルマン(2008年製作の映画)

1.0

すごーい!おもしろーい!


私が普段☆多めでレビューしているのは、こういう作品をとことん酷評するため。

アイアンマンのパロディパッケージをきっかけに、Z級映画界にその名を轟かせた伝説のクソ映画。内
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.8

生き様を覗く


すげぇおもしれぇ…でも説明するのがかなり難しい面白さ。
タランティーノ作品はジェイミーフォックス主演の「ジャンゴ」を入り口に色々観てきたけれど、気に入ったのは「ジャンゴ」のみで、その
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.8

子供心の凝縮


あのよく分かんない背負ってるやつとか、専用の車とかやけに子供心をくすぐられる、なんだろうダサカッコ良い。当時のアメリカの子供たちは、この映画にたくさんの夢を見たに違いない、段ボールな
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宇宙人ポール(2011年製作の映画)

4.1

無知との遭遇


キリストがダーウィン撃ち殺すTシャツが直球に右派で好き。
エイリアン、未知との遭遇、インディージョーンズ、etc。名作SF作品のパロも効いてたし、ブラックジョークも絶妙に敷居低くてと
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葛城事件(2016年製作の映画)

4.5

家の父親の面影がある。


限りなく我が家と同じだった、だからこそ何も感じなかった。
子供にとって最も苦痛であることは、親同士の喧嘩と、寄り添いのない事務的な無干渉である。我が家の家族像と重なる部分も
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フランケンウィニー(2012年製作の映画)

3.5

うんこ占い今度やってみよう


ティムバートン自身が手がけた短編作品「フランケンウィニー」の長編リメイク。唐突な特撮ライクや、不気味ながらもなぜか子供心をくすぐられる世界観など、バートンの「好き」が詰
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.6

一方的な冒涜


我々日本人も忘れはしない、2015年に発生したイスラム国による後藤健二さんと湯川遥菜さんの人質殺害事件、当時日本国内でも多くのニュース番組で取り上げられた。
あまり知られていないが、
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.6

理性では分かっていても、本能が拒む


完璧なまでのバランスで出来上がった家族という”体”、小汚さが生む、人の真の温もり。
賛否両論の理由がよく分かる

あの家族は本当に崩壊寸前の、家族という”体”で
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.5

愛情が踊り出す。


オープニングだけなら☆5.0
ジョゼ虎が本当にもやもやしたので毒消しにと思ってストックしといた名作アニメを初視聴、そして私にとっては初の湯浅作品

導入が秀逸、タイトルロゴが出る
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.7

あの自動車の運転手はおそらく盲目。


辛口レビューです。ご注意を。
んーとね、他者が他者に影響を与えることをテーマにしてる映画って、意外と定石に陥りがちで、なんかの映画の焼き写し的なことも割と多く発
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アップグレード(2018年製作の映画)

4.1

俺たちはヴェノムだ


最近プレイしているサイバーパンク2077っていうゲームに世界観がとてもよく似ていてテンション上がった

絶妙に重く、軽快。

AIに体を乗っ取られ戦うアクションシーンは、マーベ
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未来のミライ(2018年製作の映画)

4.4

未来が待ってる
うん、すぐ行く。走って行く。


超記号的家族を軸に、子供の視点でえがかれるタイムスリップ型追想モノ(?)。字に起こしてみると「ナニソレ」って感じだよね。

アニメ映画の一種の凄さを見
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エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)

3.4

ニンゲン、トモダチ


勝手に戦え!!エイリアンの頭とかいう謎武器好き。
アメリカを代表する2大ゲテモノクリーチャーの歴史的コラボレーション、南極で謎の建築物が発見されたことをきっかけに人間×プレデタ
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凶悪(2013年製作の映画)

4.7

ならば問おう、君の正義を


呼吸をするように。
リリーフランキーの落ち着いた雰囲気と外連味のなさ、そしてピエール瀧の攻撃性がここまで人殺しという役にフィットするとは思わなかった。

日常と殺人が融合
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ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

4.2

おかえりポッシブル


ミッションインポッシブル1の正当続編。導入の尋問シーンで、作品の雰囲気を提示するとともに、2の雰囲気の払拭すら示しているのはスマートな演出効果だなぁ…と

そこからは捲し立てら
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.7

格差という牢獄


予告見て、てっきり貧困層の家族が富裕層から一方的な搾取をするコメディタッチの作品だと勘違いしていたが、思ったよりも真面目な社会派映画でした。
まずは前半のコメディタッチからして上品
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

4.8

僕は、忘れていた


おのれピクサー、またも傑作作りおったな。許すまじ
導入の鮮やかなセットアップはいつものことながら、エルフやらケンタウロスやらが出てくる世界でスマホや電気などの文明が発展した未来と
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

3.9

父の影。


面白さは分かるけれど合わないってこういうことなんだな。
言わずと知れた組織系映画の金字塔。マーロンブランドの義理と人情溢れるキャラクター構築には目を見張ったし、アルパチーノの上品な緩急が
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

3.9

シンプルにエルサ可哀想じゃね?


メリークリスマス、何かクリスマスにゆかりのある映画を観ようと探した結果視聴。実は完全初見。

カラオケで死ぬほど歌った楽曲の数々、歌は知ってるのに本編は観たことがな
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.5

ロマンス大好きおじさん


聴く優しさ。あっという間の2時間18分。ウルリッヒミューエの厳かで優しい雰囲気が、静かな情緒を呼ぶ。ベルリン封鎖時代の東ドイツを舞台に、とある作家の盗聴を命じられた軍人のヴ
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.8

ヒメアノ〜ルの下位互換


我ながらヒメアノ〜ルの下位互換っていう表現は的を射てると思う。
過疎化が進む町の中で錯綜する「一方的」な愛、飛び散る血飛沫と、若手役者陣を軸に、霞む愛の脆さをテーマにしたス
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

4.3

心の夢とかいう抜群のセンスが効いた翻訳


60年代だから日本人に対する認識が曖昧であるのは理解できるけど、ユニスケの描写があまりに飛び抜けててちょっと笑ってしまった。
オードリーヘップバーンの映画と
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.6

ミッションインポッシブル 慰めの報酬


あー、こういうのが好きな監督なんだな〜、というニュアンスを、スロモーション演出やアクションへの拘りからひしひしと感じた。

ただ、1の計算づくされたシナリオと
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インシディアス 第2章(2013年製作の映画)

4.0

ホラー映画版インターステラー


定石は、崩すためにある。ホラー映画の退屈な側面を利用した画期的構造の作品、1の何気ないシーンを、伏線的に繋ぐシナリオは、ノーラン監督のインターステラーを彷彿とさせる。
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.2

理解できないさ


優れた音響演出と色彩、そして何よりロレンソフェロの納得せざるをえないビジュアルが醸し出す雰囲気、そのとろけた眼光に飲み込まれる。
ロレンソフェロのビジュアルを堪能する作品ということ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.9

骨の髄まで幸福


頂きのカタルシス、省く快感。
アリアスターとは趣味が合うらしい。洗練された上質な不快感、前半まではその正体が掴めず何となく、どこかで爆発するであろう狂気に期待と不安を抱いていた。正
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.0

親族全員異業種


とにかく映像がすごすぎる。中世日本を舞台に、魔法使いの祖父に追われるクボが、伝説の3つの武器を手に入れるために旅をするというのが大まかなストーリー。良くも悪くも王道を往くファンタジ
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バットマン(1989年製作の映画)

4.1

月夜の悪魔は、ピエロの夢をみる


ロメロは哄笑、ヒースは混沌、レトは楽天、ホアキンは悲嘆、ニコルソンは欲望。
バットマンというタイトルがつけられているものの、この映画の本命はジャックニコルソン 演じ
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.0

ノンフィクション


驚くほど要点を射ていて驚嘆してばかりの2時間だった。
ジュードロウ演じるブロガーを軸に描かれるネットの伝達性の恐ろしさは、いつかのトイレットペーパー騒動を彷彿させるし。医療崩壊、
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シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

4.2

マークストロングが教える黒魔術講座


明日からできる!!死刑の偽造!ロバートダウニーJr.は本人の性格とキャラクター性も相まって、トニースタークがどうしても見え隠れしてしまう。
原作は未読のため、本
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SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

4.1

ET おうち 電話


ルーザーズクラブ系SFファンタジー”〜スピルバーグを添えて〜”
スピルバーグのSF作品に対する、監督の愛情を深く味わえる作品。ラスト5分の、宇宙船を軸に各キャラクターの葛
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ボルケーノ(1997年製作の映画)

4.3

ロサンゼルスに手伝いに行きたい


自然災害系パニック映画、巻くようなテンポ感も、緊張感と切羽詰まった空気感を醸し出しててとても心地が良かった

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.7

痛いぐらい青い


ストーリーは普通、平均的なスパイ映画という印象。
肉弾戦は一級、女性の拳から出たとは思えない重いSEに、絶妙に緊張感を生む長撮り、そして血生臭い殴り合いはスピード感には欠けるものの
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インシディアス(2010年製作の映画)

3.8

洗練される前、才能の片鱗


パトリックウィルソンの謎の悪魔引きの強さ。
私の大好きなホラー映画「死霊館エンフィールド事件」の生みの親であるジェームズワン監督、ホラー映画ではあまり見られない上質なギャ
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.4

沈む砂、積もる雪


グランドイリュージョンのウディハレルソンレベルに催眠術が強すぎる
バイオレンスな復讐モノかと思ってたら、超濃厚なサスペンスでした。何より主演2人の怪物じみた演技に圧巻、チェ・ミン
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