津軽系こけしさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.8

私たちから、愛を奪わないで


70年代の世間が抱くゲイカップルへの劣悪な偏見と風当たりを今一度再認識し、現代人のジェンダーに安堵を覚える作品。

映画的起伏はとてもなだらかで、シナリオを追っていると
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ペット(2016年製作の映画)

4.2

キャラクター造形が完璧ゆえに


ピクサーのキャラクター構築は本当に参考になる、特にあのウサギ(吹き替えではフリーザ役でお馴染みの中尾さんが担当してるんだけど、なかなかのハマり具合)が1番好き。
そし
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ハイスクール・ミュージカル(2006年製作の映画)

4.1

冷めるほど大団円。


主演2人以外基本性格悪い。お互いがお互いの個性を認めあい、共同体の垣根を越えた友情を育む。学校という設定ゆえに共感性が高く、カーストの空気感が伝わりやすいためそれが崩れた時のカ
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.4

アスガー・イズ・ギルティ


2回目観るときは是非とも目を瞑って聴いてみたい。卓上で巻き起こる極上のサスペンス、元刑事で緊急ダイアル番のアスガーが女性からの一本の通報をきっかけに誘拐事件解決に奮闘する
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ニード・フォー・スピード(2014年製作の映画)

3.3

セストエレメントは素直に欲しい


ゲーム本編のパトカーは時速400kmで追いかけてきます。
アメリカンなキャラクターにニードフォースピードの伝統芸能が合わさった普通のレースシネマ。キャラクターの描写
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.9

純粋が、純粋を殺す。


邦画で、1番泣いた。
10分程、感極まりすぎていい大人が泣きじゃくった。泣きじゃくりまくった。

とにかく森田剛さんの演技が半端じゃない。私、映画においての俳優の演技ってそこ
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

涙が雨に流されるように


エンタメ界隈における、退廃的な未来都市像を最初に構築した偉大なSF映画、スターウォーズなどのSFオペラが流行する中で確かな反響を魅せた当時異色の作品。

サイバーパンクのひ
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

4.6

エミリーブラントの筋肉は多分黄金比でできてる


原作は未読。所謂「難題に直面した平凡な奴」系の映画、主人公が敵であるエイリアンの特殊個体の血を浴びたことをきっかけに、同じ1日を繰り返す能力を手にし、
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

4.3

これの続編がマトリックス


殺し屋という名の集団ストーカー、人口の8割が殺し屋の街ニューヨーク、突然のニンジャリバンバン。ぶっ込みすぎだわいい加減にしろ。

1が真面目、2は大作、3はギャグ。ここ最
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.5

製作側の煉獄愛に溢れた少年達の映画


原作は未読、アニメのみ視聴。でも多分、明日書店に原作買いに行ってると思う笑。

映画というよりもどちらかと言えばアニメの延長という印象、肝心のお楽しみ部分もかっ
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

3.8

若さ故の世界との軋轢。


文学的な雰囲気、対話劇が中心の映画。映画を観ているというより分厚い小説読んでるような感覚に近い。
特筆すべきは風景の切り抜き方、絶妙。木々の隙間から差し込む光線など細かい描
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食人族(1981年製作の映画)

3.9

映像倫理を問う映画で動物を殺すというど皮肉。


私結構グロい映画には耐性あるつもりだったんですけど、これはちょっと気分悪くなりましたね。

ファウンドフッテージっていうんですかね、こーいうの。「ブレ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5

残酷で、キュートで、ユーモラス


俺は!ナチズムを捨てるぞぉーージョジョーーっ!!
ナチスが話の軸になってて、妄想の友達がヒトラーって情報だけ知ってたからてっきりナチズムを現代の視点で皮肉に捉えたブ
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ドリームシップ エピソード 1/2(2004年製作の映画)

3.4

金と労力をかけてジョージルーカスを怒らせた映画


声優無法地帯、ビーストウォーズ味がすごい。たまにこーいう頭おかしい映画見たくなる時あるよね。2004年の割に凝りに凝ったCG、各方面に怒られそうなパ
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

4.7

肯定される嘘。孤独な真実。ドカン。


義務教育レベルの完璧な映画。経済が軸になっていると聞き、ちょっと触れづらかったけど予習して見た甲斐があった。

第四の壁が行方不明
アメリカ映画特有の皮肉混じり
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.3

貧困の反対は正義


こーいう真実を追求するタイプのノンフィクション映画って良心さえあれば面白いと感じれるからある意味ずるいと思う時がある。
マイケルBジョーダンの育ちの良さ溢れる演技が刺さった司法ド
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.5

テーテレッテ〜♪テーレレ〜♪(確定演出)


スピルバーグの凄味がよく伝わる作品。ヌンチャク→ハンガーのとことか、鏡のアッパーカットetc、緊張感のある場面においてもユーモアを忘れないスピルバーグの精
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残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

3.6

マッツもいるし実質デスストランディング (伝われ)


画の僅かなチープさは否めないものの、生きることへの執着を真摯に描いた真っ当なサバイバル映画だと思う。
キャラクターの背景をあまり描かないあたりも
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ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

4.5

“前例があるから、差別が肯定されてきた”


法律の差別、アメリカの女性の権利獲得のために戦った1人の女性の自伝録。フェリシティジョーンズが魅せる強さと正義に感服。

ギンズバーグの弁護士としての葛藤
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.5

トップハットに夢を添えて


過去鑑賞映画を書き起こすコーナー
本編よりも特典映像の「from now on」が激バイブル、正直この5分の特典映像のためにこの映画が存在していると言っても過言ではないと
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.1

「あなたになるのが楽しみ」なんてタイムカプセルで言われたら泣く自信がある


良くも悪くも現代の若者が陥っている心境をコミカルでありながらも共感できるように作ってある作品だと思う。割と私たちがスクリー
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.9

僕たちが何を施しても偽善にしかならない


ナディーンラバティー監督が中東の社会問題を美しくもセンセーショナルに切り抜いた大傑作、心の奥を的確に掴んで感情を揺さぶってくる。

正直、DVDを買おうか検
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.8

時速300kmの世界で刻む、男の「好き」


雨に打たれ霞む画角に僅かに光る車体の反射とエンジンの音……この映画、エロい。

好きこそものの上手なれ。何かに夢中になっている全世界の男の子達に向けたジェ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

こんな美形の4姉妹がどこの世界にいるんだよ!!


風景やオレンジがかった画面の光彩、さらにシアーシャローナン、ティモシーシャメラをはじめとした顔の整った俳優陣が作り出す世界観、それらが放つ眩しさに目
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

4.7

夢に目が眩む、静寂に覚める。


小さい心の大きな夢が身と心を腐らせる、金や名声、権力よりも大切なあのひと時をたった1つの行動で失ってしまう、人生の縮図でも見ているような気分になる映画でした。
映画の
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.1

ぐるりのこと… 自身の身の周りのこと、または自分を取り巻くさまざまな環境のこと。


夫婦の一括りで語れぬ愛、それを軸に描かれる人間の堕落とその内に籠る温かな情を下ネタたっぷりに描ききった人間ドラマ。
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トランスフォーマー/最後の騎士王(2017年製作の映画)

4.0

こういうのは何も考えずに見るのが正解だと思う。


思考を働かせた時点で負けだと思いましょう。

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.6

人の数だけ思い出の色がある。
私のはきっと真っ赤でなんなら燃えてる、怒りさん…いつもお世話になってます

共感という概念をシナリオ的に利用した画期的映画、そのユーモアと手腕に脱の帽。

導入の世界観の
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.0

堕落への憧れ、その本質


酒、売春、殺人。
フリッツホンカといえばドイツでは割とポピュラーな殺人鬼として位置付けられている人物で、当時のドイツの子供たちは親から「良い子にしていないとホンカに襲われる
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.9

サボテンが教えてくれたこと


老父ラッキーの死生観と告白を淡々と語る緩やかな映画。ハリーディーンスタントンの表情、そして風情あるハーモニカのbgmが凄く情緒的。地味なシーンが続く映画ではあるが、それ
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.8

陰謀論者の深層、シルバーレイクの底に


この映画に何かしら明確な社会的意図や監督の思惑があるのかは分からないが私は私なりの解釈をここに書こうと思う。
陰謀論、アニメ、映画、承認欲求、劣等感、社会の片
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.6

エルメスのスカート10着とか言ってみたい


金曜ロードショーにて再鑑賞、やはり面白い。個人的にはマイ・インターンよりプラダ推し。
導入ではミランダの悪魔ぶりが存分に描かれ、加えて上司のエミリーも感じ
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.2

1982年のソーシャルディスタンス


魅惑の雪山人狼、そいつ感染してるぞ系サスペンスの金字塔。見渡す限りの雪景色、そのど真ん中で繰り広げられる心理戦、追い詰められる精神、その緊迫感に陶酔する。

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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.2

こんな上司は嫌だ


古き良きウエスタン映画の空気感をここまでディティールにこだわって真摯に描いた映画って2000年以降あんまりないから、とても新鮮な心持ちで観れました。
ラッセルクロウのベンウェイド
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

4.5

あたまアレスなるで


説教くさいが嫌いじゃない。ヒットする映画の大前提ってメッセージ性が色濃く、分かりやすいことだとこの映画を観て実感した。
「愛が世界を救う!」なんて話が映像作品多彩な昨今で目の肥
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二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)

4.4

見えぬ天井、死なぬ業。


私なんかが行ったら場違いすぎて怒られそう。
日本を代表する寿司職人小野二郎、その寿司哲学を下敷きに彼の人生哲学と人との繋がりのあり方を描く。制作がアメリカである故か寿司を題
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