カメラを置く位置がホウ・シャオシェン。
劇場で見たらさぞ綺麗だろうと思うような、夜のシーンが多かった。
生活感のある描写のリアリティが凄い。そんな家、実際には見たことないけど、惣菜のラップ再利用で台所のタイルに付けてるのとか。
俳優のキャスティングも演技も凄い。主人公たちは言うまでもなく、ちょっとしか出>>続きを読む
発見された何枚かの写真からこの映画を発想したということで、リチャード・パワーズの「舞踏会へ向かう三人の農夫」を思い出した。
スタンダードサイズ、角丸、ノイズも入っている。フィルムで撮られたのだろうか>>続きを読む
うまく受け止めきれてないところもあるけど、とにかくこんなに変な、不思議な映画もなかなかない。
物語もそうだし、文法も。
そして見た後すぐにもう一度見たいような、謎の中毒性。
イタリアの村の景色、家とか>>続きを読む
様式美を感じた。
少し逃げて、追いかけて、少し逃げて、また追いかけて、捕まえて。
岡田茉莉子の、煙草を吸う姿の美しさも忘れがたい。
「ジョーカー」(2019年)公開時に、元ネタ映画のひとつとして挙がっていて、そのときに見ようと思いつつ結局見れなくて、随分時間が経ってからようやく鑑賞。
面白かった。
コメディアンに憧れる、狂信的な>>続きを読む
音楽の力もあって良い雰囲気で、途中までは没入して鑑賞していたけれど、最終的に誘導されるところが「切なくなってほしい」みたいなものが見えてきて、つまらなく思えてしまった。
劇場で見て以来、そのとき消化できずにぼんやりと残ったものが、今回あらためて見ていくらか消化できた気がする。
ラストシーンの殺人の意味も、はじめ見たときはよく分かってなかった。
とにかく実在感のある人>>続きを読む
途中まで完全に誤読していた。
オリジナルとは違うだろう、ボカシが入っていたせいもあるかもしれないが…。なので、「そういう話だったのか」と驚いた。自分のように見た人は、あまりいないかもしれない。
少年>>続きを読む
特別に難しいことに挑戦してるようには見えなかったけれど、佳作と思った。出演している人たちが良かった。
内容を追うのに苦労した。
英語と物理学に精通していたらもっと深く理解できただろうか?
また、この時系列バラバラはほんとに必要だったのか。時間を操作することに関心の強い監督だとは理解しつつ、疑問を持っ>>続きを読む
なんというか自分の心の琴線に触れるものがある。なぜなのか分からないが、きっと何か理由がある。
もしかしたら、単純にジム・キャリーの笑顔なのかもしれない。すごく嘘っぽい全力の笑顔が、この映画には必要とさ>>続きを読む
見るべき作品をずっと見れていなかった。60年の時を経て、劇場で見れたこと感慨深い。
内容はけっこう陰惨な印象があり、最終的にならず者たちは誰も生き残らない。イーストウッドもぼろぼろになり、後の監督作>>続きを読む
この監督の持っている細やかな感覚にとても共感する。
ただ、音に集中してじっくり見たい映画だからこそ、音の良い劇場で見れるかどうか、他の客が無神経でないかどうかで、鑑賞体験がかなり変わってくる気がする。>>続きを読む
柔らかな幸福感がじわじわと心に広がっていくような映画体験だった。
暗いものを暗いものとして撮る感覚を好ましく思った。
鳥の声や、自然の音、環境音の鳴り方が素晴らしかった。音楽を流すタイミングも素晴らし>>続きを読む
モリコーネの音楽が素晴らしいのは分かるけど、さすがに終盤ちょっとくどいかなと感じてしまった。
銃の撃ち合いは、視線のやりとりが重要だと映画を見ていて思った。この映画でも、けっこう複雑な視線のやりとりが>>続きを読む
見ている間、ずっとお酒に酔っているような感じがあった。美術も素晴らしい。ホテルを味わう、魔法のような映画。
先行上映、ドルビーシネマで鑑賞。音と映像の波動を浴びるという、アトラクション的楽しい映画体験。だったが、純粋に運が悪いとしか言いようがないけれども、となりの客が頻繁にスマホをチェックしていて気が散って>>続きを読む
「ペパーミント・キャンディー」式に、イ・チャンドン監督作を、新しい映画から古い順にさかのぼっていき(映画のロケ地にも足を運びながら)、監督を中心にして出演している俳優もコメントを寄せつつ紹介されていく>>続きを読む
設定の魅力と、それを上手く言い表したタイトルに期待感を持っていたけれど、見てみるとあまりスリリングとは思えない法廷劇が大部分で、なんというか映画として射程がせまい気がしてしまった。
犬は良かった。
これがイ・チャンドンのデビュー作かあ。
ジャンルものというか、フィルム・ノワール感があった。夜の街のネオンが美しかった。
ファースト・ショット、走ってる電車のドアから顔を出す女性、それを見る後ろの車>>続きを読む
凄い映画だった。
チョン・ドヨンの演技がとてつもない。どの瞬間の演技も光り輝いている。
どういう理由か分からないけれどもとにかくそうなっている、という世界を途中までは楽しく(半分怖がり、半分笑いながら)見ていたが、途中からなんとなくその分からなさの質が変わった気がして、退屈してしまった。>>続きを読む
セリフ聞き取りづらかったけれど、見れて良かった。
列車の横移動シーンにしびれた。ゴダールが惚れるのも分かる。
松竹下加茂撮影所100年記念特集上映にて鑑賞。
時間を遡っていく構成によって、この映画ならではの観賞体験があった。とくにラストシーンではそれが大きく、いままで見てきたものが去来し、さらに映画の外にある自分の人生までも振り返ってしまった。
正直に告白すると、「作らなくて良い作品をエリセが作っていたらどうしよう」という不安も、なくはなかった(しかしそれを受け止めよう、という気持ちでのぞんだ)。
結論を言うと、それは杞憂に終わった。
作ら>>続きを読む
もしかしたら今の自分にとって必要な映画なのではないか、という予感があり映画館に飛び込んだ。
見てみて、正しい映画なような気はするけれども、釈然としない何かを感じた。何かは分からない。伝わりやすくするた>>続きを読む
そうだ、忘れがちだけれど、私たちには影があるのだった。影が、モノと生きものの間のような、ふしぎな存在感であることを気づかせてくれる。
カメラの動かし方、絵の作り込み、編集のリズムなどにおいても、映画を>>続きを読む
重い話だったが、引き込まれた。監督の演出の腕、語り口の上手さ(直線的ではなく迂回していくところも)を感じた。
詩を習っている高齢の女性が主人公で、ときどき小さなノートに書かれた詩が画面に大写しにされる>>続きを読む
自転車に乗った少女が並木道の先に向かって走っていくと、その同じ構図のまま時間が流れ季節が変わり、並木道の向こうから成長した少女が自転車に乗ってやってくるとかさ、もうね。
特別すごいと思うところは見受けられなかったが、一応最後まで見た。
「タンタン」とかの系譜の、向こうの冒険ものの雰囲気を感じた。
映画というのが、写真の連続によって出来ているとあらためて思わされるようだった。
エグルストンやスティーブン・ショアなど、ニューカラーの写真家たちの感性を学び、それを撮影に生かしているのではないかと想像>>続きを読む
なにはともあれ、力強い映画だった。
個人的には、アール・ヌーヴォーを摂取するのにこんなに良い映画もないと思った。建築、美術、衣装を見るだけでも楽しい。音楽も面白い。
撮影は、正直よく分からない(あの魚>>続きを読む
軽いタッチで見やすかった。
こういう映画が見たいときもあると思う。佳作という言葉がぴったり。
物語に回収されない、少し不思議な細部もあった(みかん?の木や、そこですれ違う女性など)。
冬の映画。