たばたさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.0

観終わってみれば、ポスターから受けるイメージに反して相当ヘビーな映画だった。優しいキャラクターとして存在していた人たちの態度がアウティングを境に豹変するのが本当に怖くて悲しい。

今作で長編デビュー作
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セクシー・ビースト(2000年製作の映画)

4.3

ずっと観たかった映画。すんごい良かった。

ベン・キングスレー演じるドンが、笑っちゃうくらいほんとにほんとにほんとに嫌な奴で、おそらく観る人みんな「こんな奴早く殺せ殺せ殺せー!」と思うことだろう。こう
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ある種のジェットコースタームービーと言いたいくらいのスピーディーな展開。主人公のネットリテラシーが高いのもあって、こちらの集中力が試されてる気分になる。

充分面白いけど、全体的に画期的だった前作と比
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

ストイックで冷静沈着な殺し屋のかっこよくて長い独白をぶった斬る形での失敗とか、笑いの基本中の基本みたいなことを大真面目にやる可笑しみ。強調しようと思えばいくらでも出来るところを敢えてせずに淡々と描いて>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.5

このリトルジョーを例えば宗教のメタファーと捉えると、すんなり理解出来る話だなぁと思う。欧米だとか、それこそパレスチナ問題を見ていると、本当の意味で宗教が根ざしてない国で生きていることを実感するし、何が>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.6

前半は展開が速いし、ベタなテーマながら安心して観られる良さがあった。そして戦争というものの悲惨さと虚しさが早々にちゃんと伝わってきた。このタイミングで観ると、 ほんとズシンと来ちゃうのだけれど。
でも
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.3

リメイク元ほど嫌な感じはなかったけど、もはやオットーは嫌われ者でもなんでもない。ちょっと気が短い普通に親切なおじいさんの話。
人の死まで使って、ハイッ どうぞ感動してください!みたいな実話系ですらない
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

途中、スピルバーグのノスタルジーが巨大過ぎてポカンとしてしまうこともあったけど、終わってみればめちゃくちゃ良かった。トリビアによると実際に起こったエピソードがかなり多いらしく、ソレンティーノの「The>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.1

前半はドニー・イェンの存在とアクション以外あまり新鮮味がなかったけど、後半はかなり良かった。やっぱりこのシリーズは絶妙なバカバカしさと、キアヌ・リーヴスという俳優の味とのマッチングが最高だと思う。>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.4

一人称で語られる小説で読む方がインパクトのあるストーリーなんだろうなと思う。言いたいことは分かるけど、映画として伝えようとすると矮小化されてしまう気がする。人気美形俳優を揃えたキャスティングもどうかと>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.7

ポール・トーマス・アンダーソンとかもそうだけど、優れた監督のストーリーが明らかに難解になっていくのを感じると寂しいものがある。前作も分かりづらかったし、この流れが続くのかなぁ。
まず、そもそも「リアル
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グッド・シリアルキラー(2018年製作の映画)

3.6

こういうストーリーでこういう結末は全然好きじゃないけど、良い瞬間はたくさんあった気がする。
ただ、ホラーとして見せたいのかそうじゃないのか、悪い意味でどっちつかずな感じがグロ描写の単調さに表れてたかな
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コンジアム(2018年製作の映画)

3.4

女の子たち演技上手い。

中盤ちゃんと怖い瞬間があったので、その後を期待しちゃった。全体としては惜しいというか、自分のイメージとは違う恐怖描写になっていった。登場人物だけでどうにかして欲しかったかな。
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.6

ビッグプロジェクトから引っ張りだこのフロピューがプロデューサーにまで名を連ねて出演してる今作。監督/脚本のザック・ブラフとフロピューが当時付き合っていたらしい。
作品の出来としては、良くなる気配はあり
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.8

ナイスアイディアなアクションシーンがあってなかなか良かった。女性が作者の文学ネタを絡めたり、男性社会に対する風刺も効いているんだけど、監督も脚本も男性だと知ると、ちゃんと魂入ってるのか…?と疑ってしま>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.7

個人的にはハムレットに元ネタがあったというのがまず驚きなんだけど、それは置いといて

ロバート・エガースはスタイルが出来上がってる人なので、題材との相性の良し悪しがありそうだな、と今作を観て思った。こ
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

誰しも感情移入出来る普遍的な話だと思う。大人になると腹六分目くらいで他人と付き合えるようになるけど、子供の頃って全力だし不器用なんだよね。色々と思い出して胸が痛くなった。

2人の男の子が作品の中でち
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

応援上映が開催されてるタイプの映画の割に振り切れてる感じがあるわけでもなく、バディムービーとしても中途半端な感じがした。普通のバトル系ホラーじゃん、と思う人も多そう。世間での盛り上がりを読んだ上で続編>>続きを読む

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

4.0

これは超良作。
ロボットと人の交流を描くことで「人とは何か」について考えさせられるという意味ではオーソドックスな内容だけど、脚本が素晴らしいし、主演の二人がとんでもなく良い。

ちなみに実際こんな完璧
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これもPLAN Bなのね。
実際に起きた事件に触発された小説、映画らしいけれど、これは寓話的な話なのだな。この結末は、女性たちの「男性社会」への断罪、決別を表現しているんだろうなと思った。

男性だっ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.3

感動。
ジャニー喜多川の件に対する日本のメディアの鈍さと遅さを思うと溜息しかない。

監督のマリア・シュラーダーは今作でハリウッドデビューってことなのかな。「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」も
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

フェミニズムの映画といえば、それはそうなんだろうけど、こんなにも色んな解釈が出来る作りになってるとは思わなかった。そして(この映画の感想で炎上してる漫画家がいたけど、)その反応によって隠れた差別性が炙>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.2

終始抑制の効いた演出の「童夢」インスパイア系サイキックもの。ハリウッドのようにはしないぞ!という気概に溢れていて、ずっと水面下でコトが進んでいくのが肝だなと思う。大人は全く気付かない中、子供たちは…み>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.6

とりあえずハリー・スタイルズを(当初キャスティングされていた)シャイア・ラブーフに脳内で変換して観ていた。あーあ、シャイア出演で観たかったなぁ、全然違っただろうなー、あー残念!も〜!とか思ってたら時間>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.7

ロードムービーでラブストーリーでホラーでもある話を、ルカ・グァダニーノらしくまとめていると思った。主演の2人ももちろん良かったけれど、マーク・ライランスとマイケル・スタールバーグが素晴らし過ぎた。マジ>>続きを読む

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

3.8

作りとしてはバキバキのアメリカ映画って感じだけど、キャスティングが最高過ぎることもあって全体的に品よくまとまってる印象。最後の方に、ズルい!やられた〜って思うところもあるし、主人公がシェフ志望っていう>>続きを読む

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(2022年製作の映画)

3.5

僕が80年代に洋楽を聴き始めたタイミングでちょうどホイットニーがデビューして、2ndアルバムくらいまでは全曲歌えるくらい好きだった。今考えると、特別な思い入れがあったというよりは、当時はみんな彼女と彼>>続きを読む

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.7

特殊効果も貧乏くさくないし、ドラマ部分が上手くいっている。これ系で最後ちゃんとホロリとさせるの、流石韓国映画って感じ。

ソボク役のパク・ボゴム素晴らしい。

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.8

再鑑賞。
最初の「いけすかないヘタレ広報」みたいなキャラクターが実はトム・クルーズにはぴったりだと思う。忘れそうになるけど、若い頃は普通に演技派の印象もあったトムの力量がちゃんと発揮されてる作品。

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.1

再鑑賞。
まずアクションの撮り方が上手くない。物語の中心になるサマンサ役の子も良くないし、悪役の存在感も弱い。
冒頭のシーンは良いので期待しちゃうけど、超凡作だと思う。

アウトロー(2012年製作の映画)

3.8

再鑑賞。ストーリーがちゃんと面白くて、派手じゃないけど緊張感たっぷりの良作。ロザムンド・パイクが居ることの安心感。

その後の続編やドラマ展開のことも考えたら、この邦題をストレートに「ジャック・リーチ
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THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.8

オリジナル観てない。
オペレーターが遠隔で窮地に陥った人を救う話で、なんでギルティ?って思ってた。納得。これはなかなかよく出来た脚本。主演俳優の力量がモロに出るし、そりゃリメイクもしたくなるわな。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.9

てっきり前作フォールアウトの撮影監督かと思って観てて「あれあれあれ?」って感じだったんだけど、確認したら違う人で納得。
アクションの設定は、かなりベタながらもディテールが工夫されてるしユーモアも効いて
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.8

全体の短さや最後のしつこさ、知性やセンスに裏打ちされた程良い不快感が心地よい。

スイング・ステート(2020年製作の映画)

3.7

選挙や政治をこうやってエンタメにするの上手いよなぁと思いながら観てたら、最後、いやー1本取られた!と思った。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

宮崎駿作品を初めて劇場で観た。とにかく映像は本当にもの凄いと思う。アニメーションならではのダイナミズムが詰まっていて、群れが動く時の感じとか物が崩壊するシーンを見てると、こんなものを作れる人は今後現れ>>続きを読む