ダルマパワーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

黒い罠(1958年製作の映画)

2.9

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真相を暴いていく感覚が面白かったけど、やや映像のつなぎが分かりづらくて、ついていけないシーンがあった。

ワイルド・パーティー(1970年製作の映画)

3.2

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肉体と価値観が乱交するパーティー映画。思ったよりもはじけていて、思ったよりも道徳的だった。ハリスがマネジャーとしてのポジションをZマンに奪われる様が、多重露出の中の立ち位置に現れていて、映像的な面白さ>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

3.8

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狂ってる、だから面白い。ダイヤモンドに狂い、バスケに狂い、賭けに狂う。見ていて体が熱くなった。沸き上がる熱意、止められないベット。ぎりぎりで生きる男の生き様。止めないんじゃなくて、止められない。例え後>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.5

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愛とは相手のためか、自分のためか。そもそもこれは愛なのか。

深みある演技がそれぞれの苦悩を語る。深川麻衣さんはこの役者人のなかでは見劣りしてしまい、次回に期待。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

1.1

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台詞の棒読み、特に無理な大阪弁が受け付けず、セリフ自体も作り物感が強くて、芝居じみた演劇を見てるような印象を受けた。台本をそのまま映像化したような間のある作品だった。

作品の内容自体も生理的に抵抗感
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

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ショッキングな題材を斬新な形で捉えていて先が読めず作品に集中できた。映像にも無駄がなく整理されていてとても見やすかった。包帯を模したPOVがとてもよかった。最後、ラスト10分ほどは、敢えて見せなくても>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.2

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ゾンビと共にいきるという落ちが面白い。カジュアルな作品だけど、カットの繋ぎが新鮮で頭に残った。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

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こんな作品を残していただけて、日本人としてありがたい。8月15日、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、受け入れた敗戦。

8月16日、残骸となった街の中で、大切な人を失い、体もなくして、それでも生きて
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.1

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作品のピュアなメッセージに、久しぶりに涙がこぼれた。SFの世界観もきれいだった。よくある、といえば語弊があるが、定番のメカ的な部分での宇宙の表現よりも、本作では宇宙人やそこに漂う空気の質感に神秘さを感>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.7

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フラッシュのように切り替わる画面の色見が刺激強く印象的だった。赤、青、モノクロ、茶色に染められた画は、緊迫感や絶望感、無機質な世界観を表現していた。パンクなギターが紅一点、色と音、演出で乾いた世界をユ>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.2

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個人的には、これは歴史に残るべき作品だと思った。100年後にも見られる作品。単なる挑戦にとどまらず、高度な作品として昇華されていた事に驚く。妥協なき試み。

バードマンは昔のヒーロー作品の主人公。その
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ジュブナイル(2000年製作の映画)

3.3

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20年ぶりに鑑賞。小学生の頃が懐かしく思い出された。TETRAの可愛さに癒され、ハイテクメカをプレステのコントローラで操作する夢のような話に心が高鳴った。今の山崎監督作品と比べてしまえば、決して十分と>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.4

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何を被写体にするかではなく、被写体をどう撮るかにおいて、本作は優れていた。

徹底的で、挑戦的で、世界観が見事に作りきられていた。ある種のドキュメンタリー的な追及の仕方を感じた。

形式と内容とは相互
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セッション(2014年製作の映画)

3.8

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撮り方が臨機応変というか、カメラ自体の動きとフォーカスの動きが、自然と視線を誘導し、またその視点によって映像に臨場感を持たせてくれた。カットのテンポも、粘り強く暴言を吐き続ける指揮者をじっくり撮るとき>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.4

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本作はメッセージの強さと、映像美の二つが印象的な作品だった。

家庭内暴力、サマーウォーズから進化した今風のバーチャル世界、人目を気にする主人公の弱さ、赤の他人を助ける事の意義、自粛警察に潜む正義とい
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.5

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薬、女、金。どれもやり過ぎると失敗する。人を乗せ、投資を集める。それはある意味、言葉の麻薬。相手を酔わせて、溺れさせる。吐いたお金をかき集めて、山積みにし、それを見てまた楽しむ。

群がる人たちは盲目
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.2

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映画を撮るか死ぬか、の究極の二択。掛ける想いが非常にリアル。映像を落とす意味でのカット、人生の取捨選択という意味での「切る」。どちらも似ている。大切だからこそ切れない、思い入れ、愛着が袖を引く。そうし>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.8

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前に見たときよりも、作品のメッセージをもう少し感じられた気がする。社会の縮図のような学園生活、群像劇。切替わる視点の中で徐々に物語が形を変えて進む、心をくすぐるカットの構成が憎らしい程、美しい。高校生>>続きを読む

スチームボーイ STEAMBOY(2003年製作の映画)

3.9

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絵がとにかくリッチ。隅々まで気を配られた人物や建物細部の作りや配色が目を引いた。スチーム城の崩落する内部を飛び回るレイの画は臨場感があり、作品全体として作画とCGが極端に違和感を生むことなく上手く混ざ>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.9

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一人称による緊張感を煽るような映像は殆ど入れず、主人公を常に近くで見守るような感覚のショットが終始続いた。主人公の日常の浮き沈みがよく伝わり、ルームメイトのような感覚で見られた。パリにいた主人公が友人>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.3

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キテレツ感のある音楽が作品に不思議な彩りを与えている。アニメながら暴力性が高い。ベースにあるのは、友情物語。そこに超能力や国家、軍といった問題がからみ、問題を彼らの手の届かない次元に持っていっていく。>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

2.9

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見ず知らずの人とセックスする事のリスクや、世の中の真理を謳うような言葉を携帯からライトに知れる軽さ。ホラーでありながら、どことなく現代社会への警鐘を含むような映画に感じた。個人的にはそこまでハマらず。

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.6

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岡本太郎さんの言葉の引用ではあるけど、この作品は爆発していた。芸術的な意味で。

日本については語られず、このセンシティブな時代の作品に対して、ある意味で斜め上の位置から、少しの精神的余裕を持ってみら
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

2.0

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すごいんですけど、自分はハマらなかったですねぇ。物量すごいし、もろもろ表現どうやって作ったんだろう?と制作者目線では仰天だったんですが、

気になったのは特に冒頭のテンポが速すぎて、早送りしてるんじゃ
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ドライヴ(2011年製作の映画)

3.6

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人には人のもって生まれた性(さが)があり、それは変わらない。主人公は闇から光へ、そして光から闇へと消えていく。画面のなかを進む車の方向や、温かく差す光が物語の起伏を映像に表す。登場人物達は皆どこかで闇>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

2.8

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ラスト30分でついていけなくなった。あまり見たことないタイプの映画。主人公と思っていた男があっさり殺されて。原題がNo country for old menなので、主役はあの保安官だったのかなと思い>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

3.8

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金稼ぎに夢を抱き、油田を追いかけた男のストーリー。その過程で多くの犠牲を出し、一見すると平気で人を騙して土地も奪い、私腹を肥やす悪役のように見えた。実際にそうだった。孤児を引き取った事についても、ビジ>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

3.1

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性善説と性悪説が同時に語られる、ある意味で暴力的な映画。巻き起こされる悪に対して、市民が単純に被害者になるような一方的な暴力ではなく、悪によって自らも悪(加害者)になり得る世界。傷つけられる痛みだけで>>続きを読む

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

3.1

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本作はカメラの手振れは殆どいれず、色味も明るさもいじらず、カメラで撮った絵をそのまま載せたような感触だった。ドリーは最低限あっても、パンやズームも殆どなかった。余計な印象をカメラから省く狙いだろうか?>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

4.0

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記憶喪失と信じこませて付き合う、ファンタジーのようなホラーのような、独特な風合いの作品。人間的な怖さを少し感じながらも、全体を通じてティーンのカラッとした気持ちよさがあり、爽やかに仕上がっていた。三角>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.3

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全員に救いがある、優しい物語。

背伸びをする男の子の幼さ故の痛さ。何にでも好奇心をもって取り組む行動力、企画力、頭脳、人を巻き込む力。ただ、その天才性も使い方によって印象は様変わりする。自分のために
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.6

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男女の息づかい、視線、距離感が丁寧に描写されていた。ある人にとってはロマンチックで希望に溢れたお話かもしれないし、ある人にとっては切なく不安でたまらないお話かもしれない。大人な関係で割りきれないくらい>>続きを読む

Beautiful Sunday ビューティフルサンデー(1998年製作の映画)

2.6

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とある場所に住む住人達の日曜日。
それぞれ癖があり、空しさに溢れていて、ちょっぴり笑える。

徹底した固定カメラによる撮影と構図は遊びがなく、厳格な印象を受けた。

お金を出してストーカーを演じる岸部
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ANIMA(2019年製作の映画)

3.1

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PTAさん作品への興味から視聴。以下、自分の解釈。

『画一的な日常の中で悩みを繰り返す人々。淡々と進む通勤電車。人の内面へと繋がっていく感覚。惹かれ合う二人。忘れ物に気付き届けようとする男性。社会の
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.9

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人の体に入り、その人を操る。
漫画か、あるいはバカ殿様のような世界観を2時間の映画に体現したウィットで大胆な作品。

主人公クレイグは売れない人形師。奥さんがいるのに別の女性に惹かれて、現実で振り向か
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