ダルマパワーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

TIME/タイム(2011年製作の映画)

3.4

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富裕層のもつ1分と、貧困層のもつ1分の価値は変わらない。本人からした重みは異なるけど、等価で交換される。

冒頭、自ら命を絶った富裕層と、ウィルが同じ目線で話す2ショットに物語の主旨が集約されていたよ
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

3.3

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フロドとサムは、指輪が火山に落ちた瞬間のことを、本の中でどう描写するのだろうか。

シンプルに楽しめた戦闘シーンがあった一方で、疑問符の残る展開もあり。

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉(2002年製作の映画)

3.3

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フロドとサムのコンビについてはほぼ動きなし。

アラゴルン率いる3人組は、エルフならではの恋愛と、王国の威信、人間とエルフの絆、見ごたえある先頭シーン。アラゴルンがスローで歩く姿は本作一番のかっこいい
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

3.5

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フロドとサムの関係は、日本映画にはあまりないもののように思った。

日本なら、君主と侍、師匠と弟子、兄貴分と弟分、というように、ある程度上下がしっかりある中で忠義を尽くす所に美徳があるけど

フロドと
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

2.2

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聖人が作る映画よりも、狂った人が作る映画の方が面白い、と言う。眼球をえぐるシーンは、もはや想像でしかないが、目蓋の裏をなぞる様子が印象的だった。後半は内容が入らなくなったが、松坂桃李の涙はすごいと思っ>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.2

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CG技術と共感性で突っ走った映画。人物描写はほぼ皆無。

VRの価値の置き方で、「バーチャル(ニセモノ)の世界」とするのではなくて、「人の内面(本質)が見える世界」としたのは新鮮に感じた。

ただ、ア
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.8

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ロベルト・ベニーニが監督兼脚本兼主演とは露知らず。ヒロインも公私ともにベニーニのパートナーだったとは驚いた。

駆け落ち、からの夫婦生活へのカットの転換が憎らしいほど美しい。収容所の無機質なトーン、色
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

3.7

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貴族文化と奴隷制度。
批判もある内容なので適切な表現かは分からないが、個人的には失敗や困難にめげないスカーレットの姿に、元気をもらえる映画だった。

パリ13区(2021年製作の映画)

4.3

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壊れたタイルを塗るようにお互いの穴を埋めていくそれぞれの修復作業。性の相性がいいほど長続きするというのはカジュアルなようで、とても大事なことに思える。最後のシーンの距離感がたまらない。柔らかい終わり方>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.4

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個人的にはオチヘの角度が緩やかでストーリーにはあまり刺激を受けなかったが、映像へのチャレンジがすさまじく、VFXと実写を混ぜることでトリックを見えづらくさせていたように感じた。身を乗り出して見入ってし>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

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中盤の話の進み方が見事で、観客の心の変化を見ているかのようだった。

土地を追われた者と奪った者。インディアンの歴史は深く知らないが、本作におけるそれに通じていた。いずれも失ったものは大きい。その中で
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.0

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とてもいい話だけど、とても切ない。こんなに期待がこもったラストワンカットは初めての経験だった。スペースの空け方が憎らしい。グーッと感情を持ち上げられた。期待どおりにはいかない所に、また登場人物それぞれ>>続きを読む

ボディガード(1992年製作の映画)

3.7

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冒頭暗闇の発砲音から始まるシーンが印象的。開始5分での説明がクールで一気に引き込まれた。二重三重の犯人設定も面白いし、ばっさりと省略されるサブキャラの背景描写も、思いきりがよくて主題が引き立っていい。>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

3.5

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変わったテンポの会話の間が、物語の世界観や主人公のキャラクターに合っていて、不思議と見入ってしまえた作品。

バンドと不良と愛と絆。古美術と古武術の、内気そうなグループと、ごりごりの不良グループが、趣
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.7

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余計な情報を省いた映画のスタイルは、今目の前の事に集中するという意味で、ジョニーとジェシーの関係性によく似ていたし、遮断してより純度の高い情報を得る集音のそれにも通ずるものがあった。カメラの動きやズー>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.3

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魔法のような映画で楽しかった。
夢を追うことと現実は、常に横にある。ショーは無重力に人を解放してくれる。そこは夢の世界だからいつかは覚めるけど、その痛みもまた人生。
映画に遅れてきた彼女をなにも言わず
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.7

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創作感や一体感、音が気持ちいい作品だった。ふわふわ浮く冒頭のバイオリンにあいらしさを覚えた。

ロックな装いの中に、甘酸っぱい若さを感じる映画だった。

酒や音楽でポジティブに仲を深める時は感覚的だけ
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

1.8

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ジョークの連続にやや疲れた所に不意にくるシリアスなシーン。感情の変化についていけず。2時間半アトラクションに乗り続けたような感覚だった。

物語に入り込むよりも、物語を書いている人たちが見えてしまい、
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.8

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動的なカメラワークが印象的で、構図やライティングも丁寧に作られ、飽きの来ない映像だった。

全体では短いカットでこまめに視点を移し細かく繋がれていたが、冒頭と終わりだけは長回しで統一されていた。

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映画 おそ松さん(2022年製作の映画)

3.2

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漫画原作×旬のアイドル押し企画と言う中、斬新な脚本で仕上げたおバカな一作。音でストーリーを強引に展開していく形は映画として新鮮だった。

お涙頂戴のシリアスな映画とは一線を画し、おふざけ万歳、フィクシ
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国境の夜想曲(2020年製作の映画)

3.0

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寒気のする映画だった。恐らく拉致されたと思われる娘の、悲痛なメッセージを電話越しに聞かされる母親の姿。子供達がISISに囚われていた際の様子を描いた絵の残酷さ。黒装束の男達の人間とは思えない所業。夜に>>続きを読む

新解釈・三國志(2020年製作の映画)

3.2

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勇者ヨシヒコの2時間版。
三國志がテーマだったのでそこまでエフェクトの遊びはなかったけど、くだらなさの系譜は引き継がれて、思わず笑ってしまった。お酒を飲んでみるとちょうど良い。つまらないところは、心底
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

3.2

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構えなくても見れるカジュアルさがちょうどいい。映像も節々に面白さがあった。特にトランジション、テロップ入れなど、見映えのいい映像が盛り沢山で楽しめた。ゴーストのオマージュなど、真剣みのあるシーンにもギ>>続きを読む

いくえにも。(2022年製作の映画)

2.0

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カメラ的にはなんだか居心地悪さを感じた。会話のシーンのカットバックなどが逆のように感じてしまった。手持ち風のシーンも、挑戦的でめまいを起こすような感覚は面白かったが、面白さにとどまった。

脚本はちょ
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さがす(2022年製作の映画)

3.4

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強めのフィクションと記号的な表現が始めは肌に合わず、ただ気づけば徐々に世界観に引き込まれ、物語の展開にワクワクしていた。ザ・エンターテイメントの中に一瞬垣間見た現実感。佐藤二朗が妻の首を絞め、止め、抱>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

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常識の外側で思考し、行動する才能。二話目で語られたこの言葉が特に好きだった。英語のサブタイトル?はwheel of fortune and fantasy。fortuneて奇跡ってよりは、運命とか、少>>続きを読む

前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.7

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やはり小木さんの深爪のクダリが個人的には一番ぶっ込んでて面白かった。

望遠で長い階段下から高杉さん、六角さんをとったショットの奥行き感が一番好きだった。

ドローンの景色は、美しすぎて合成に見える不
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ハウリング(2013年製作の映画)

3.1

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この後どうなるだろうというはらはら感はあったが、裏切りはなかった。画として長回し以外の面白さはなく、魅力にかけた。ど頭でスタッフがばれてたけど、撮り直さなかったのはなんでだ。一発勝負と決めてたのだろう>>続きを読む

ハンサム★スーツ(2008年製作の映画)

2.7

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くどいくらい「不細工」の言葉が飛び交いややうんざりした。

あと、笑いについては、まるで近距離で目を見て笑かそうとしてくるような圧迫感を感じた。こてこて。

彩度高めだけど、あんまり画のきれいさはなく
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オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.3

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1950年代にとられたのかと思うと凄みが増す。今はPCソフトの合成でいかようにもなるけど、当時はフィルム上で魔女が登場する際の光の玉を作り、フェードさせていた。魔女を消すのも恐らく地面に穴を空けて逃が>>続きを読む