べさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

地下幻燈劇画 少女椿(1992年製作の映画)

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エロ・グロ・ナンセンスとしか言いようのない変態映画。
見世物小屋を中心に展開されていく物語なだけあって、やはり見る・見られるという関係性を重要視するべきだろう。
男尊女卑的な思想が根付いていた近代西洋
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パプリカ(2006年製作の映画)

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「パーフェクト・ブルー」や「妄想代理人」などにも共通するが、今敏作品は“夢と現との交錯”が度々描かれており、「パプリカ」はその完成系と言える。
黒幕の野望にはフロイトの“エス”的なものを感じたが、“夢
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

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20年以上前の映画でありながらもどこか現代に通じる様な風刺をも感じる。
“アイドル”という理想像に対する憧れや妬み、好意。それぞれの感情を抱く者に共通するのは“夢”なのである。「自分もアイドルになりた
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ピンポン(2002年製作の映画)

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アニメ一気見からの勢いで映画も視聴。
という事で「ピンポン」全体の総括的なレビューになってしまうが、まず一言で言うならばこれは王道スポ根作品(特に「スラムダンク」だろう(笑))に対するアンチテーゼ的な
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狂った一頁(1926年製作の映画)

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川端康成原作のアヴァンギャルド映画。
表現主義的だという前評判は知っていたが、無声映画で白黒で文字による語りもほとんどないこの作品でどのようにそれを表すのだろうと疑問だった。しかし、観てみると役者の表
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

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大学の授業にて鑑賞。
この物語を通して「シカゴを行き来する」という一つの大きな往還運動を見出す事が出来る。
往還運動は文学作品や映画作品において重要な役割を占める事が多い。例えば『スタンド・バイ・ミー
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

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物語の中心に”麻薬“が据えられた作品だが、レントンの仲間もある種の”麻薬“として描かれているのだろう。
エンディングについてだが、これは一概にビルディングスロマンと言っていいのだろうか?エピローグの語
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プロメア(2019年製作の映画)

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物語を観ているというよりは”ジェットコースターに乗っている感覚“の方が近い作品。とにかく熱い熱い熱い熱いtrigger節全開の映画。
以下はネタバレにならない程度に感想。

はじめに、triggerは
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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あまりにも90年代後半の鬱蒼とした世紀末感が表象されている。
当時、物議を醸し出したラストシーンだがそこにはシンジやアスカのリビドーやデストルドーの概念が大きく関わっているのは自明の事実だろう。(ここ
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

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“恐怖の表象”と謳われるだけあり、当時のドイツの表現主義的要素を余す事なく取り入れている。
それぞれのカットの始まり方が「一点から徐々に楕円形に開けていく」というものであり、端的に言うならば「人間が目
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

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ダリが手がけた作品という事もあり、これは映画としてだけではなく一つの芸術作品としても鑑賞されるべき。
目を剃刀で切る場面から始まる(≒視覚の支配)というのは、それ以降に展開される現実離れしたシュルレア
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

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合宿で後輩とキューブリックの話で盛り上がったから再視聴。
やっぱりモラトリアム期間におかれて揺らいでいる若者を描く映画は良い。反社会的な存在であるストリートギャングを全体主義や没個性への警鐘の象徴とし
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