zumitarouさんの映画レビュー・感想・評価

zumitarou

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親密さ(2012年製作の映画)

3.6

言葉で何かを渡せるとは限らないが、人が人に何かを渡せた瞬間には言葉に何かが乗っている

ちょっとジェンダー観がな〜的なことを反射的に思ってしまう自分がいる箇所もなくはなかったが、橋を渡るシーンとか、人
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.7

見ながらなんか『王国(あるいはその家について)』からジェンダー的つらさを引いたバージョンってこれなのかもみたいなことを思ったりした。
空間に漂う若干の気まずさを捉える長回しが印象的だった

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版(1975年製作の映画)

3.1

少女が抑圧から解放される様がもっと描かれるのかと思っていたら桐島部活やめたってよ型の描かれ方だった。

パンフで色々補完した感があるが映画単体としてはやや雰囲気ムービー感は否めず、でもこういう謎を謎の
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走れない人の走り方(2023年製作の映画)

3.2

前々から思っていたけど自主映画をわざわざ作ろうと思う人ってちょっとおかしいと思う(いい意味で)

まだ明日がある(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

皮肉のきいた笑いのセンスがキレキレで良かった。
ラストの娘から"用紙"を手渡されるところはもちろん泣いたし、その用紙の正体が分かってさらにグッときた

愛してる!(2022年製作の映画)

3.9

主要登場人物はほぼ無名の役者陣だと思うけど体張っててすごいなと思った(まあ日活ロマンポルノなので当たり前だが…)
りゅうちぇるの佇まいも良い。高嶋政宏はまた違う意味で体張ってて笑った

成功したオタク(2021年製作の映画)

4.7

犯罪を犯した元"推し"にはもう失望しているけれども、とはいえこれまで推してきた期間の気持ちが本物だったからこその複雑な心境を真摯に記録したドキュメンタリーだった。
もちろん韓国のファンの中にも色々いる
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.6

個人的に、前の仕事がこの東京からやってきた施設運営会社の担当者二人みたいな立場だったので、ウワー!こういう誰も"悪"ではないけど絶対うまくいかないことが目に見えてる仕事に突っ込んでいかないといけないこ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.3

思ってたより原爆とかアメリカという国家のグロさに対して、アメリカ映画のわりには踏み込んで批判しているなという感じがした。
とはいえ、一般市民を何万人も虐殺してんのにこんな駆け引きマジでどうでもいいわと
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.8

1つのカットが最近の一般的な映画に比べると長く、2020年代の感覚だと飛ばしたくなってしまうような妙な間(ま)とかもじっくり撮っているのが印象的だった。
なんか伊坂幸太郎っぽい
大きなストーリーがある
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オズの魔法使(1939年製作の映画)

4.0

太古の昔に授業かなにかで見たきりだったが、改めて見直してみると、なんでもないシーンでも惹きつけられる演技と無駄のない画の作り方、あと自然にスッとミュージカルパートに入っていく感じとか、全然あなどれない>>続きを読む

噂の二人(1961年製作の映画)

3.5

ものすごく胸糞悪い話だったが、でも終盤の、もう謝られてお金渡されても仕方ないんだけど!という感情を観客側にもちゃんと共有させてくるのは映画づくりが上手い………………と思った
メアリー役の子は、冒頭のお
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.5

主人公たちが派手にナチをぶっ倒す!!的な感じかと思っていたが意外とそこまでカタルシスのない話だった。
部下がなんかシュールでいいなと思ったらイーライロスだった

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

5.0

結末知っててもボロボロに泣いた
改めて見返すと地味に笑える箇所が多々あったな…
やっぱり後半テルマが覚醒して以降が楽しい

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『悪い子バビー』から全ての救い要素を抹消したみたいな作品だった。

夫の"男性性"に恨みを抱いた母親が、息子に対して成熟を許さず支配する…という、割と分かりやすいタイプの話だったように思う。

父親の
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

紅の歌詞の意味を踏まえて2人の関係性により感情移入させる脚色が見事だった

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ともすれば男性の欲望目線丸出しになりそうな要素てんこ盛りだけど思い切りフェミニズムの話で、この話書けるのすごと思った。

ベラがオナニーを"発見"するくだりを見たときはワーなんか男性目線な要素出てきた
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.0

良い作品だとは思うけどなんか刺さらなかった…
モノローグ中心で進むのと観念的なセリフが多いからだろうか
最後まで見ると、天使って映画監督のメタファーなのかなと気づいた

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.0

バカバカしいものでも見ないとやってられないなと思ったので見た。
やはりコメディというのは真剣に演じてこそだなあと思った。
なにげに維新に対する皮肉としても読める設定だった気がする

枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0

全てのカット作りが完璧なのと、俳優の顔が内側に複雑な感情を含んだ被写体となっているところに「映画」を見たなあという満足感があった。

全てが静謐な映画かというとそうでもなく、けっこうシュールで笑ってし
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.9

主人公のプロフェッショナルさと人間味の塩梅は面白いと思ったが、作品全体としてはあまり刺さらなかった…

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

拙い作り手たちが作りだした火炙りよりも、数々のトラブルでストレスが頂点に達した末に偶然起きた事故による激しい光の点滅の方がよほど火炙り刑の本質に近い状況を作り出してしまうという、映画制作ってこういうも>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.8

この村に限らず現在の日本の至るところにも残る"大日本帝国的なもの"に対する批判としてかなりよくできた作品で、こんな骨のある作品がいまの日本のアニメ界から出てくることに驚いた。
現代軸で巻き込まれている
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.8

ドラ泣き的な印象を受ける予告編でスルーしていたが、作り手が予防線のために説明的表現をすることが多くなった今の時代にこれを作り通す胆力すご!と思った

太古の昔に原作を読んだことはあるが、地元があの近辺
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

2.9

アメリカではあまりなさそうな映像の作り方だなとは思ったし、ふとしたところで面白いカット(仲買人の家でみんな部屋から出ていったあとにリラックスする先住民女性たちを数秒写すところとか、太極拳みたいな動きを>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.1

観客と作り手の根比べみたいな種類の映画
登場人物がみんな役を生きている
生きていて死や老いや絶望を感じるとき、人は恐怖とか悲しみとかよりも戸惑いが出る
生きている間は人物を2分割同時進行で寄りで映して
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.2

面白いけど単に「ムカつく"活動家"をぶっ殺してスッキリ」系の映画だったらちょっと嫌だな〜と思いながら最初は見ていたが、ロングショットでどうでもいい話をしながら人を狩るシーンで、この作品は思ってたより多>>続きを読む

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

2.9

雰囲気とか演者はいいけどそこまでハマらないなーと思ってたらのラスト…

いつになったら映画作るんだよと思っていたら終わった
最後は、最近の映画だったらアンジェリカが駆け寄る→空にカメラを向けたところで
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.5

本当になんでもない会話だけど面白い。
素の状態に近いものを演技としてやるというコンセプトなので参考になった

ホワイトストライプスの出てくる話がシュールで良かった
ウータンクランにしても、本業の俳優じ
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

クィアで良かった
ジャネット!スコット博士!ジャネット!ブラッド!ロッキー!の所がシュールで笑う

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

いつも一緒にいた女友達が人生にぽっと出てきただけの男と一緒になって、その男のいう「家庭」概念に縛られて変わってくやつ〜〜〜しんど〜〜〜と思いながら見た

城南中のくだりがやたら繰り返されるのは、お互い
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.0

前半の気づきかけてるくだりは、これが仮に自分にとって真実だとしても外から見たら疾患扱いだから怖いなと思いながら見ていた
今のSNS社会の方がよりこれが風刺してる何かに近づいてる気がする

MISS ミス・フランスになりたい!(2020年製作の映画)

4.0

主人公は女性にトランスを望むというよりはどちらかというとノンバイナリーで、でもフェミニンなスタイルをしたいという微細なところをちゃんと描いてたのがよかった

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