らぱしおんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

らぱしおん

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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画の中でヒトラーの本質に迫ったのは、唯一戦争体験者である半分ぼけた婆さんだけだった。体験者の言葉は鋭く本質を射抜く。ヒトラーを殺すことは、我々自身を殺すことであるという痛烈な皮肉を込めたラスト。>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

3.0

自分が当たり前だと思ってとった行動が、正義だと信じて疑わない言葉が、知らず知らずのうちに他者を傷つけているということは往々にしてあるんだ。そのことに敏感な社会の市民と、鈍感な社会の市民との差を痛感する>>続きを読む

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.0

ジェシカ・チャステインって、僕的には女の怨念のようなオーラを感じさせる女優さんなんだよなぁ。だからまさにこの役どころはぴったりだと思うんだ。ゴシック・ホラー、もといゴシック・ロマンスとしての完成度の高>>続きを読む

バクマン。(2015年製作の映画)

3.0

なんとまぁワクワクする映画!日本の漫画文化について深く考えさせられるエンターテインメントだった。俺は漫画は苦手だからとても勉強になりました。天皇の料理番のあの二人にまた会えたのも嬉しかったし、映画の中>>続きを読む

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

2.0

ラストのもう一捻りが効いてたね。トム・クルーズも頑張ってると思うけど、ケビンはもっと頑張ってると思うのよね、俺。

映画 みんな!エスパーだよ!(2015年製作の映画)

1.0

週末の夜中に見る「みんな!エスパーだよ!」は楽しかったなー。映画版は彼の極悪な面(エロエロナンセンス!)が出過ぎててとても笑えないよ。唯一の救いはサヘルが出てきたことくらいだな。あの頃のMXバラいろダ>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

4.0

昔、八王子の四畳半のアパートに住んでた頃、ある晩先輩が遊びに来て泊まってったんだけど、その先輩が深夜に共同便所に入ったら、電気消してドアの鍵開けっ放しで便器にまたがってる老婆がいて腰抜かした事件を思い>>続きを読む

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015年製作の映画)

3.0

惨劇のシナリオ?ううん、最高のシナリオ!
ホント、よく出来てる。カイロの紫のバラであり、夕陽のカスカベボーイズであり、異人たちとの夏なんである。若い頃のお母さんと娘のバディものと聞いただけで食指が動か
>>続きを読む

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

3.0

メイドと少年の心の交流を描いたホームドラマかと思って観てたら肩透かしを食らった。全然違った。何だろう、この突き放された感は。しかしそれが全く不快じゃないのだ。ガキは全然可愛くねぇし、フィリピン人メイド>>続きを読む

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.0

70年代探偵物語ノスタルジア。登場人物が全員とぼけた味を出してて面白かったーーーーー!音楽の使い方最高!!もっとパンケーキを!!!

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.0

これはやっぱり上下合わせで一本の映画と考えるべきだろう。

この物語は千早という、一見熱量の高い女の子によって周囲がかるたに魅了されていく様を描いているように見えるのだが、実は彼女もまたそんな「周囲
>>続きを読む

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.0

これはやっぱり上下合わせで一本の映画と考えるべきだろう。

この物語は千早という、一見熱量の高い女の子によって周囲がかるたに魅了されていく様を描いているように見えるのだが、実は彼女もまたそんな「周囲」
>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

4.0

この映画の突き刺さり具合ときたら「フレンチアルプス」の目じゃないね。こんなキツいラストあり?ってくらいナイフを心臓に何度も何度も突き立ててくるよね。シャーロット・ランプリングの表情がコロッコロ変わるの>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

3.0

男と女を比べるのも何だけど、ブロークバック・マウンテンよりもキャロルのほうがいろんな点で進歩的で大人の恋だと思ったさ。ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールがどんだけガキに思えたことか。簡単に白黒つ>>続きを読む

奇跡の2000マイル(2013年製作の映画)

2.0

ラクダがあれほど表情豊かな生き物であることを僕はこの映画を観るまで知らなかった。あの馬面男の、付かず離れずの距離感が好きだ。

ルーム(2015年製作の映画)

4.0

2016年度シネマランキング暫定1位を進呈差し上げる。センセーショナルに陥りがちな題材をあくまでも子供の目線で丁寧に、誠実に描き出す。過去のトラウマを背負い込んだ大人たちが未来に生きる子供の無垢に救わ>>続きを読む

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

2.0

始まって3分でエリザベス・バンクスという中年女に魅了され完全ノックアウト。昔のメラニー・グリフィスを見ているようだ。物語はポール・ダノとジョン・キューザック、60年代と80年代、親父と精神科医と、同種>>続きを読む

GF*BF(2012年製作の映画)

2.0

台湾には確実に「青春大河モノ」ってジャンルが存在すると思う。まごうことなくこれもそのひとつ。三者がそれぞれに相手の苦味を引き受ける存在という意味では深い友情と言えるだろうが、そこに愛とかいうへんてこな>>続きを読む

わたしに会うまでの1600キロ(2014年製作の映画)

3.0

ローラ・ダーンお母さんの、生きるってそういうことだよってくらい健気な生き様に打ちのめされた。こんなママを唐突に失えばそりゃママ・ロスでセックスや薬物にも走りたくもなるっつうの。結局どんなにあがいても、>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.0

卑近な表現でまとめれば、それは仕事に疲れた男のマザコン映画ということになろう。グイドの優柔不断は男なら誰しも苦笑いしつつ深く頷かざるを得ないし、登場するイタリア女はみんな母なる大地のイメージなのだ。こ>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

この物語の決着のつけ方に、僕はタランティーノという監督の、ストーリーテラーとしての成熟を見た。ヤバイくらいの完成度。

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.0

ハンス・ジマーの切ないテーマも、マイケル・シャノンの切ないゾッド将軍も、ごめん、俺のどストライクなんですけど。確かにどデカイスクリーンでこの映画を最初に観た時には俺の老いた動体視力がクリプトンの連中の>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

2.0

死者とのけじめの付け方という点で大林の「あした」を想起した。死者の視点で語るなら、死後の終活といった趣。しかしこういう描き方、テーマの扱い方が非常に日本的だなぁと思ったのである。西洋ならとりわけゾンビ>>続きを読む

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.0

何度目の鑑賞か忘れるくらい観てる。この世にもし真理なんてものが存在するとするのなら、こんな取るに足らない下らない題名のコメディの中にこそ、それは存在するのだ!だから映画は面白い!だから人生は愉快だ!素>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

3.0

人間の死とは何か。日々「部品」として大量廃棄されるだけの大量の死は果たして本当に人間の死と言えるのか。僕は同じ問いを峠三吉の原爆詩の中に見たことがある。死者の弔いも主人公にとっては人間としての生命の尊>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

3.0

俳優の顔が浮かんでアニメの世界にのめり込めなかったのは俺だけ?役所広司はまぁよかったがそれなら羽佐間道夫でいいじゃないかと思ったのは俺だけ?やっぱり俺はおおかみこどもが好きだなぁ。この映画も嫌いじゃな>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

3.0

旧世代から新世代へ、確実にバトンが譲り渡される瞬間の目撃者、歴史の証人になれて幸せだ。スター・ウォーズしかり。そしてロッキーしかり。ライアン・クーグラーの丁寧かつ誠実な人間描写はフルートベール駅の時か>>続きを読む

きみはいい子(2014年製作の映画)

4.0

前半強烈なホラー映画感半端ないのはババドックの影響だろうか。呉監督の映画はいつも不穏感がそこかしこに漂っていて、絵も言われぬいやーな感じに不快感これまた半端ないんだが、その時点で実はもう完全に彼女の術>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属す。素晴らしき人間賛歌。偉大なる楽観主義、万歳!火星の人も地球の人も船上の人も、知力を振り絞る、その姿に感動してずっとニヤニヤしながら泣きっぱなしだったよ。それ>>続きを読む

リアル鬼ごっこ(2015年製作の映画)

2.0

これは別にホラーじゃないわな。女子校青春モノだよ。青春とはただ闇雲に疾走することなんだな、監督にとっては。一応句点をつけないと物語が終わらないからラストにとってつけたようなそれなりの理屈はつけてあるけ>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.0

ギレンホールのギラギラした狂気のまなこが頭にこびりついて離れない。主人公とレネ・ルッソとの情事は一切描かれないが(あいつら、とんでもなくエロい行為に及んでいるのであろうな〕と本筋から離れたところの妄想>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.0

男なら誰でも思い当たるフシがあるだろう。旦那に完全に感情移入しすぎて、こんな怖い、痛い映画はなかった。これは男という生き物と女という生き物の決定的な差異を描いたドラマだ。だって!男はどんなに頑張ったっ>>続きを読む

With a Little Patience(2007年製作の映画)

3.0

あえて見せないことで見えてくるものがある。見えないものを見たいと思った時に発揮される人間の想像力というもう一つの目。この監督の映画は相当な精神力を必要としそうだ。なんだかとんでもないものを見せられた気>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

3.0

トム・クルーズのアクションは美しさというよりも思い切りのよさが他の役者に比べて群を抜いていると思う。潔さが素敵!そしてサイモン・ペッグがそこにいてくれることの安心感!結婚しろよお前ら。

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

2.0

何だかとてもドラッキーで、それでいて何とも切ない気分にさせられる鬱映画。ロビン・ライトの女の一生ならぬ女の半生。部屋の壁に「タクシー・ドライバー」のポスターが貼ってあるんだが、ハーヴェイ・カイテルのク>>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

4.0

これは凄いやーそりゃ年間ベスト入りするわな。のっけから持ってかれっぱなしだった!アクションは言うに及ばず、キャストもいいし本も素晴らしくよくできてる!トムのジャッキー化も目を瞠るが、何より凄いのがヒロ>>続きを読む