ライラックさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ライラック

ライラック

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愛の神、エロス(2004年製作の映画)

4.0

【若き仕立て屋の恋】
愛と官能と喪失の物語
花様年華の色彩が薄くなった感じ
最後の表情が凄く味わい深い

【ペンローズの悩み】
鮮やかな青い色彩と
モノクロの質感が良かった
真面目に話すアイアンマンと
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砂丘(1970年製作の映画)

4.7

60年代カルチャーと芸術表現の融合
砂丘で絡み合う姿が官能より芸術性が高く独創的でした
爆発の破壊力が凄まじい
スローモーションとピンクフロイドの音楽が
ロックで爽快な余韻を与えてくれる♪

芸術に込
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欲望(1966年製作の映画)

4.0

ブローアップで見えてくる真相と
物語を脱線させるような抽象表現
難解なアートを前に自身の想像力の
無意味さを感じました😅
真実や妄想に感じる空虚感がたまらない
終わり方が斬新すぎで笑った♪
実験性の高
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.7

四季と共に表される男の人生
仏教の禁欲的な空気のなか人の持つ欲望や
死について考えさせられます
繰り返す四季のように新たに始まる
和尚と小坊主の関係に人生の四季を感じました

静寂と美しいロングショッ
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うつせみ(2004年製作の映画)

4.5

無言で孤独を分かち合う二人の愛
牢獄で影のような存在になった青年と
彼女の視線が印象的でした
怪しげな主観ショットと浮遊感
最後の台詞で生まれる幻想性
謎めいた余韻

召使(1963年製作の映画)

4.7

奇妙で不条理な世界観が危うい
不快な緊張感の煽り方が上手すぎです
水滴がシンクを叩く音と視線で見せる男女の空気
シルエットと能天気な台詞で怪しげな展開を
予見させながら見せる対照的な表情が
とてもシュ
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できごと(1967年製作の映画)

4.0

サスペンスフルに描かれた欲望や下心
欲情にかられる中年を皮肉った感じに
何とも言えない魅力を感じました
怪しげな色気や雰囲気を作り出す
サックスやハープの音色も素晴らしいです
理性の奧に隠された刺激を
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ポゼッション(1981年製作の映画)

4.7

善と悪を2役で演じ分けた
イザベル・アジャーニの鬼気迫る
怪演もさることながら
ホラー・ミステリー・エイリアン!
様々な要素を狂気と共にまとめ上げる
監督の手腕が凄い
ホラー映画が苦手ですが
振り切っ
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アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

4.5

手紙によるモノローグが物哀しい
愛への執着から人格崩壊していく様子が
とても痛々しく徐々に狂っていく難しい役を
演じたイザベル・アジャーニが素晴らしいです
ユゴーの偉大さも感じる作品でした♪

黒い罠(1958年製作の映画)

4.7

国境を挟んだ刑事二人の正義と悪の駆引き
大袈裟な盗聴器に時代を感じつつも
橋の上での緊迫感や表情が味わい深いです
悪徳刑事の裏側が暴かれていく様子に
ウェルズの絶大な存在感を感じます

そもそもウェル
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偉大なるアンバーソン家の人々(1942年製作の映画)

-

市民ケーンと違う形で画かれた繁栄と衰退
嫉妬や衝動に感じる若さとユージンを
慕う大人たちの関係性が面白かった
選択を迫る手紙が酷な反面とてもロマンチック
後半の絶望と喪失感がとても良かったので
最後の
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マザー、サン(1997年製作の映画)

4.7

映画と芸術の曖昧な境界線が心地よい
レンズを絵具で加工して撮影された映像に
美しい衝撃を受けました
絵画的ではなく半分絵画な映像体験
物語よりソクーロフの芸術性を楽しむ作品
素晴らしいです♪

デ・ジャ・ヴュ(1987年製作の映画)

4.7

鈴の音色と巡る過去の幻想
怪しくも美しい世界で真相に迫る記者の不安定な心情と緊張感が画かれてます

ラストに届く鈴!雪や花びらのように
美しく舞う梱包材に静かな恐怖♪

ヴァン・ゴッホ~最期の70日~(1991年製作の映画)

4.5

ゴッホ最後の数ヶ月
医者の娘との恋愛やテオとの交流を通して画かれるゴッホの不安定な心情
ルノワールやセザンヌの作品が評価される中!日が当たらないゴッホの悔しさを感じます
ゴッホ演じたデュトロンさんが
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四つのいのち(2010年製作の映画)

4.8

主演が自然と動物
人間はエキストラ的な役割です♪
長閑なカメラワークと
穏やかな長回しに癒されます
亡くなったお爺さんと生まれたヤギ
伐採される木

自然の営みや生命力を感じさせる映像に癒されました♪
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サウルの息子(2015年製作の映画)

4.0

緊張と躍動のカメラワークがホロコーストの重苦しさを感じさせます
主人公にフォーカスしているので
残忍な風景は上手くぼかされてますが
それでも苦しい描写が沢山あって辛かった
壁を叩く音と悲鳴!地獄としか
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.8

アルプスの広大な自然が美しい
水の流れる音・家畜の鈴・時計の針の音
そよぐ風・穏やかな生活音も心地よいです

坊やの聴覚障害や苛立ち
思春期の衝動的行動に感じる闇
悪化する関係性や閉鎖的な空気が
美し
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テス(1979年製作の映画)

4.7

原作未読のためストーリー描写に
そこまで深さを感じませんでしたが
バルビゾン派の絵画を思わせる風景描写が
時に台詞を超える表現になっていて
圧倒される映像美でした

監督と役者のスキャンダルは
複雑だ
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.7

ヴォイスオーバーと主観ショットで
生まれる作品との距離感がすごい

誘拐の画策に気づいたムーダンの
愛が憎しみに変化する表情と雨の音
謎めいた雰囲気と衝撃の現実
冒頭の台詞と繋がった時の
深いドラマ性
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天安門、恋人たち(2006年製作の映画)

-

青春と変化する社会情勢
関係性の縺れと共に画かれた天安門の暴動
性描写の多さに少し息苦しさを感じますが
孤独や情緒不安定な内面が浮き彫りになっています

ロウ・イエ監督の雨で語る感情表現が
とても好き
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愛の残像(2008年製作の映画)

4.0

情緒不安定で愛に依存する女性
ローラ・スメットの表情がスゴくいいです
後半の亡霊か幻覚か曖昧な存在に感じる幻想性も不思議な魅力があります
開いた窓と衝撃を静かに物語る最後も良かった

死んでまで愛を求
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橋の上の娘(1999年製作の映画)

4.7

90年代の作品ですがヌーベルヴァーグを
彷彿させる作風
ナイフ投げの的になる女性の情欲的な表情や【恐怖と快感を同時に感じたことある?】という台詞に感じる独創的な愛情表現が良いです
ハイセンスな変態性が
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家宝(2002年製作の映画)

4.7

聖女から悪女へ印象が変化していく様を淡々と画く会話劇
ポーカーフェイスに潜む強かで冷酷な一面が恐ろしい
たまに挿入される風景がとても味わい深いです
美しい車窓のフィックスショットをシリアスな展開と共に
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次の朝は他人(2011年製作の映画)

4.0

繰り返すシチュエーションや
不自然なBarの時系列がシュール
理由や偶然を語るソンジュの台詞が作品
の概要説明みたいで面白かったです
連続する偶然と反復が不思議で
マトリョーシカ人形みたいな印象😃

アバンチュールはパリで(2007年製作の映画)

4.0

制作費に不安を覚えながらもフランスで撮影
監督の気質を感じます

ロケ地がパリでも変わらないホンサンススタイルが良かったです
オルセー美術館での撮影許可を得る監督の顔の広さもスゴイ

ストーリーとベー
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蝶の舌(1999年製作の映画)

4.7

政治や信仰心に奪われた自由や思想
長閑で美しい自然の中
少年と老教師の交流を包む優しい陽射しが美しいです
水浴びの少女に花を渡す場面が特に好き
あどけない少年の表情と見守る老紳士の眼差し

ラストの泣
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トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

4.0

不妊症の蔓延により失われた秩序
移民や不満分子によるテロ活動
激しい戦禍の中!移民の母と乳児の
神々しさがスゴイです
聖母を崇めるように膝まづく民衆と止む銃声に感じる神秘性

廃墟や崩れた建物!退廃し
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三人の女(1977年製作の映画)

4.8

揺らぐ水面と不思議な壁画に浮かぶ様々な描写
不穏な空気を煽るような不気味な音
監督の鬼才(変態)っぷりが伝わってきす😄
キャスティングも素晴らしく
役者のかもし出す雰囲気や表情が怪しすぎて最高でした♪
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宇宙飛行士の医者(2008年製作の映画)

4.0

曇り空と寒々しい背景が情緒不安定な
医師の心情を表してるように感じます
・父から受け継いだのは気質だけ!
・僕に才能はあるのか?
自信への問いかけのような台詞や
チェーホフを意識した台詞も印象的でした
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機械じかけのピアノのための未完成の戯曲(1976年製作の映画)

-

チェーホフの短編を元に作られた会話劇
初夏の日射しを浴びながら賑わう一族
崩れゆく関係性と滑稽な貴族の
会話劇がとても良かったです
後半プラトーノフの自暴自棄で
鬼気迫る姿と情けなさが素晴らしいです
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巡礼の約束(2018年製作の映画)

-

過酷な巡礼と家族の思い
大病を患いながらも巡礼をする母の姿に強い信仰心と怖さを感じました
後半の父と義息子の変化する関係性も良かったです😀
人懐っこいロバも良かった♪

アイカ(2018年製作の映画)

-

冒頭いきなり赤ちゃん!逃亡!!
荒めのカメラと切迫した緊張が辛かった😢
閉ざされた環境で生きる難しさが伝わってきます
【ロゼッタ】を彷彿とさせる作品!
ラストの涙に母性と苦悩が伝わってきました!
苦し
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草の葉(2018年製作の映画)

4.7

名曲喫茶での会話劇♪
第三者目線で人間観察しているような気分
【結局人は感情・感情は壊れやすいけど力がある】とても印象に残る台詞でした♪
私もたまに名曲喫茶に行くので人間観察してみようかな😅
低予算で
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マルメロの陽光(1992年製作の映画)

4.7

画家の日常 アトリエの風景
時おり流れるラジオからの社会情勢
果実の実りから熟成
朽ちていく姿に季節の移ろいや
時の流れが表れています

画家と監督共に職人気質で
被写体に対してのこだわりを感じました
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

5.0

エルミタージュ美術館での撮影自体が
偉業ですがワンカットって!
奇跡に近いです‼️
監督とキュースティーヌの
ユーモアある会話と解説
キュースティーヌの役者が
サイモン・ラトルに似ていてラトルが
彷徨
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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究極の郵便配達
怪我人や死体が沢山でてくる作品が
苦手ですが…
素晴らしすぎるカメラワークと臨場感!
長回しにもこだわりを感じました😃