ライラックさんの映画レビュー・感想・評価

ライラック

ライラック

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雪の轍(2014年製作の映画)

4.7

倫理観ぶつかり合う台詞回しと内面描写が素晴らしい。

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)

4.7

事件の真相に迫っているようで迫っていない。何気ない会話が多く物語の具体的な輪郭が掴めず少し難解な作品ではありましたが淡々としたショットや環境音がジワジワと染みてくる。
検事とドクターの会話が印象的でし
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アフター・ウェディング(2006年製作の映画)

4.8

家族の在り方や格差と貧困問題を交え繊細な感情描写に何度も心揺さぶられました。

冬の旅(1985年製作の映画)

-

モナの荒んだエゴイズムの先に見えるのが自由だったのでしょうか?
私には不自由に見えてしまいましたが、ただモナの背景を知りたくもなっていたので、ある意味作品に引き込まれていたのかもしれない。
サンドリー
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ある過去の行方(2013年製作の映画)

4.8

匠な台詞回しによる描写と緊張にヒリヒリと疑心暗鬼にさせられる。
重いけど素晴らしい作品でした。

クレーン・ランタン(2021年製作の映画)

4.9

鬱々したポエジースタイル健在
不穏な重さと美しさを兼ね備えたショットが
最高でスクリーンから重力を感じた😄
役者とオブジェクトの線引きが独特で
デュラスやペドロ・コスタを思わせる

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.9

世間の風潮へ死でメセージを示唆してる
自殺や他殺ではなく
ネガティブな社会が生んだ死に思えた

ラルジャンに匹敵する素晴らしい作品です♪

第三世代(1979年製作の映画)

4.0

冒頭から【たぶん悪魔が】!
ベルリン映画祭でのブレッソン推しを
強い意思として作品に反映させていて面白い♪

ファスビンダー作品は
数作品しか見てないけど
様々なマイノリティへの視線が
独特な表現を創
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白夜(1971年製作の映画)

4.0

空想や内面をレコーダーで表す前衛性
ボサノバやポップな楽曲
他作品にはないカジュアルな一面が見れる作品
いきなり訪問して持論を語る人物が
ブレッソンの言葉を
代弁しているように感じられて面白いです
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おもかげ(2019年製作の映画)

4.7

さり気なく攻めた構図や緊迫の長回し
絶妙なフレーミング感覚

緻密ながらやり過ぎない画面設計が
役者の感情や作品の雰囲気に奥深さを
プラスしてる

ソレンティーノ監督の作品を久々に観たくなりました♪

山<モンテ>(2016年製作の映画)

4.9

少ない台詞で表される不条理
神や信仰の矛盾を間接的に感じさせる描写
絵画的な画作りやショットで語る姿勢

もともと少ないモノを徐々に欠落させ
抽象性を帯びた感情描写へ転換する手法に驚かされました😄

アイデンティティー(2003年製作の映画)

4.7

クローズドサークルからパラレルワールドへ
古典的なサイコサスペンスかと思ったら
反転して別の次元を見せられる感じ
予想外の展開が最後の最後まで続く
とても面白いです♪

ふくろうの河(1961年製作の映画)

4.8

戦争をテーマにした短編集
森を背景にしたアンビエントな音使い
ショットやカメラワークで語る作家性が
好みでした♪
幻想と悲劇の交錯は「僕の村は戦場だった」を彷彿とさせます
1話から3話まで全て良かった
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サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

-

黒いソウルと挑発的な物語に元気をもらいました
ジャジーで民族的なアフロパーカッション
エレクトロにアコースティック
様々な音楽がフュージョンし生まれる世界観が
シュールでファンキーです
サン・ラが時折
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ロルナの祈り(2008年製作の映画)

4.8

ブレッソンとケンローチを合わせたような感じ

他作品のような没入感と緊張で
ダイレクトに不条理を伝えるのではなく
ダルデンヌ作品にしては控えめなカメラワークが彼女の変化や薄暗い日常を繊細に映し出してた
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音楽(2019年製作の映画)

4.0

リズム隊だけ!?と思ったら
いきなりプログレ感全開になってワクワクしました😆
激落ち状態の森田君がサイケデリックに
ノリ始めセッションする姿に少し
デュアン・オールマンの面影があった😄

観賞後にPi
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ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

4.8

マリック特有の様式美~♪
一時のフェスの高揚感と
内省的なボイス・オーバーにより表される
孤独で空虚な感情の揺らぎが切ない
環境に染まり自身の素直な感情が
薄まってくような感覚が繊細で物悲しく美しい
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.0

サスペンス西部劇
西部開拓時代を背景にした内面描写が
素晴らしい
進めば進むほど募る不信感
シンプルな構成だからこそダイレクトに
緊張が伝わってきます

先の見えない荒野ってだけでも不安なのに
人間の
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アンティゴネ~ソポクレスの《アンティゴネ》のヘルダーリン訳のブレヒトによる改訂版1948年(1992年製作の映画)

4.0

映像表現としては難しいですが
膨大な台詞により展開する物語は解りやすい

ロケ地や立ち位置がほぼ固定
被写体との距離感や角度が独特です
不自然なフレーミング感覚が逆に凄いのかも😅

地面を見ながら四人
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パーク(2016年製作の映画)

4.0

明と暗に分けた構成と少しコミカルで
ホラーな展開が予想外で面白いです
背景のイメージや自然のモンタージュが
「雲から抵抗へ」やジャン・マリーの短編(慰めようのない者・アルテミスの膝・等)を思わせます
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

-

我が家への強すぎる思いが
浮き彫りにする家族構成や環境の複雑さ

大気汚染や同性愛のイメージがある街だけど
オシャレ建物が並ぶ街並みは実際に見たくなりました

ジミーの強い思いに
人種問題から生まれた
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異端の鳥(2019年製作の映画)

4.8

不条理な世界と悲劇の連鎖
残酷さと冷淡な感情に
重苦しい歴史的背景を感じました

物語は楽しめなかったけど
ショットやメタファーでの示唆や
ワイドスクリーンの映像美が素晴らしいです
画面に釘付けにされ
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眼には眼を(1957年製作の映画)

4.5

医師の堂々たる姿から
ボロボロになりながら生命を渇望する姿へ
変貌が深い内面描写を物語っています
怪しげで影のある存在と深まるアウェイ感
壮大な山々のショットを渇きが絶望な風景に見せる!観ていて喉乾き
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ジェリーフィッシュ(2007年製作の映画)

4.7

やり切れない日常と空虚を感じる群像劇
日常と空想が並行する物語は
詩情豊かで物悲しさと温かみがあった

ミステリアスで天使な
謎の女の子カワイイです♪

ハリウッド★ホンコン(2001年製作の映画)

-

ファムファタールによる悲劇と
ユーモラスな作風が不思議なバランス
冒頭のシークエンスから強烈な
ふくよかさが伝わってきて面白い🐷
ブランコの感情描写や腕の張り紙
音でオバチャンの食肉化を示唆したり
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ドリアン ドリアン(2000年製作の映画)

-

都会の陰と故郷の陽
空気や言葉使い容姿まで様々な面に
変化があり1つの作品で2つの作品を見た気分になります
まるで別人のように前半と後半を
対比する作風やフルーツを使った演出が良かった
凶器になったり
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.7

簡素な感情描写に不思議と温かみがあります
ダンスや音楽の独特なリズム
淡々と流れる時間とエンジン音が心地く
シンプルながら温かみがある
北欧インテリアのような作品でした

空虚と脱力感が素晴らしい

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.0

ビル群やネオン等の日常風景が画面上で異彩を放っていて異国人の視線を体験できました
異国での漂流感や儚く淡い二人の関係が伝わってきて素晴らしかった♪

(1997年製作の映画)

4.0

ヴァンダの部屋の序章のような作品
夢も希望もないゲットーの空気が苦しい!
三茶の三角地帯のような場所を
せわしなく動く人々に様々な感情が見えて
リアルだった
溶岩の家でも感じたことですが初期作品は
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溶岩の家(1994年製作の映画)

4.0

移民労働者のルーツを探る旅
火山島らしい灰色な景色の中
白い肌と赤い服のイネスが異質で視覚的に面白かった
意識の喪失によるドラマ性と
フォンタイーニャスの貧困へと続く視点
島の実情や不鮮明な部分がガチ
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(1989年製作の映画)

4.5

父不在の困難
モノクロによるシブいショットが
荒らさまでもオシャレな味わいに感じる
デビュー作への強い意気込みや
映画愛が作中ずーと伝わってきます

途中ニノがドワネルに見えた♪
見下ろすショットの多
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

4.9

ヴェントゥーラをフォーカスした作品
過去の闇や心象描写
虚ろで亡霊的な姿は搾取され続けた
移民の苦悩を代弁しているように感じます
前作に見られた主張(色彩やヴァンダのモノローグ)が抑えられた分
静寂と
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コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

4.8

廃墟と無機質でモダンな団地
詩的な要素や構図により前作以上に
強調された光と闇の対比
前作のような生々しい貧困描写を抑え
退廃の空気と独特の間で孤独や時の流れを
感じさせるのが凄く良いです
若干ツァイ
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ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

-

光と闇のコントラストが貧困と薬物の
深い闇をじわじわと訴えかけてきます 
芸術とメッセージ性を合わせ持つショットは
静かで痛々しく監督特有の
ドキュメンタリーとフィクションを越えた特異性を感じます
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サクリファイス(1986年製作の映画)

-

前作までの作風と違い独自の哲学を
反映した会話劇のような作品
色彩や音楽を抑え控えめな印象は
禁欲的な信仰心を感じさせます
ドメニコからアレクサンデルへ
思想が引き継がれているのがよく分かり
沈黙(ル
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

5.0

異国によるアイデンティティーの揺らぎ
数字や鏡の姿が思想の融合を感じさせます
現実と記憶や幻想が生む退廃美
カンピドリオ広場のシークエンスが
特に印象に残りました
ロシア時代には考えられない
不自然な
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