烏丸メヰさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

烏丸メヰ

烏丸メヰ

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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

お気に入り作品記録。
『バットマン』の人気悪役・ジョーカーを主人公に、彼のシンボルと言える「道化師のような顔」と「狂気的な笑顔」への新解釈で切り込み示された異色のジョーカー像がひたすら印象的。


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ストレンジ・シスターズ(2019年製作の映画)

3.6

東南アジアに広く伝わる“首が抜け出して内臓をぶら下げた姿で飛び回る”というオバケ(ポンティアナとかガスーとかペナンガルとか呼ばれる)がモチーフのホラー。

このオバケに関する基礎知識みたいなのがないと
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.8

お気に入り作品記録。

ショッキングにして複雑に翻弄し、観る者の“目”に問いかけるホラー『哭声ーコクソンー』の監督が原案と製作に携わり、湿った這うような質感の恐怖『心霊写真』の監督が手掛けたタイのホラ
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

2.8

お気に入り作品記録。
正直、理解するには前か後に予備知識を得たり説明・考察が必要なのは否めないし、娯楽より映像美、前衛SFアートといった質感。
しかし“当時としては補整”抜きにしても、描こうとする画の
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.0

お気に入り作品記録。
「ホラーはパラメーターをオシャレに振ると恐怖が薄れ、反比例して作品の独りよがりな意味不明さが残る」
と思っていた中で、オシャレ・怖い・きちんと理解できる、を貫き私の価値観を変えた
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『エブエブ』の最も雄弁なテーマは“家族愛”だと感じた。普遍的なものだ。
それを奇抜な世界観設定や強烈なギャグ、ナンセンスなビジュアルで包んだのが『エブエブ』の個性だと私は感じている。
だからこそ、観る
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

5.0

狂気と暗闇と暴力と退廃のごった煮を、ストップモーションが脳に強制コマ落ちかのようにじっくりじっくりと見せつけてくる凄まじい刺激。

意味だとか感動とか、ストーリーの筋だとかを重視する人は確実に楽しめな
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ミュータント・ニンジャ・タートルズ2(1991年製作の映画)

4.0

お気に入り作品記録。
一作めに比べ、明るい中での戦闘やそのコミカルさ、ダンスやギャグ、子供との交流、敵側にもミュータントがいる等、一気に明るく楽しい初代アニメ寄りの作風になっている。

サントラも持っ
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ミュータント・タートルズ(1990年製作の映画)

4.0

お気に入り作品記録。
タートルズブームの最中に子供だった私が、初めてタートルズという集団でなく“個々のタートル”を意識し愛着を深めたのはこの映画がきっかけ。

初代アニメより四人それぞれの個性が強めら
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紅い服の少女 第一章 神隠し(2015年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。

台湾ホラーの始祖のような位置にある存在の映画で、
オバケ+方術(道教のお札や呪文)+現代社会
という世界観は後の『呪われの橋』『第九分局』『縄の呪い』『呪詛』等に共通する。
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ジョーズ・アパートメント(1996年製作の映画)

3.5

青年が住むことになったボロアパートには、いや、我々人間の暮らしには、数万の“ルームメイト”がいた……。

言葉を喋り、歌い、踊る陽気な“G”達のノンストップハイテンションコメディ。カートゥンなノリやち
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

4.5

お気に入り作品記録。
Jホラーの中でも一つの形の極致にある映画だ、という印象を抱いた。

実話怪談を集める作家の元に届いた一つの怪談。作家はふと、過去に収集したある話を思い出す。
これは類似なのか、そ
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呪詛(2022年製作の映画)

4.8

お気に入り作品記録。

視聴者に呼びかけ、POV風に展開していく“呪われた”母子の映像を主軸に、防犯カメラ等目線のカットが混ざり、時間軸も前後して、観る者側が「謎解き」に巻き込まれる要素を強くした作り
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烏 カラス(2007年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

カラス好きとしての観たことあるよ記録。

ポスターや予告編に「ヒッチコックの名作を凌ぐ」とあるが、個人的にこの作品が『鳥』と異なる個性だと思えた箇所は
・CGをはじめ映像技術の進歩ならではの表現
・カ
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クローゼット(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

事件性やサスペンス色を色濃く匂わせる日本版ポスターからはジャンルをうかがい知る事が出来ない正統派ホラー映画。
この手法は「意外な驚き」だけでなく「期待外れ(予期せぬ不快感)」を生むので宣伝方法としては
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

4.5

お気に入り作品記録。

民話ベース×レトロアニメーション×シュヴァンクマイエル節が炸裂する。幻想に微笑み嫌悪する感覚の渋滞。


切り株が人喰い怪物になる、という、映画の元になった民話を劇中でも追う少
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ムーンシャーク(2022年製作の映画)

2.8

人間vsサメ人間 at月面!!
“月の裏側”=ダークサイド・オブ・ザ・ムーン、をもじった原題にまずひと笑い。
斬新な切り口とアイデアが詰まったSFサメ映画。
一応コメディではなくシリアス(宇宙船や人々
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

お気に入り作品記録。

これは、
ただそこにある自然と生き物の営み
を描いただけの映像である。

予告編が良くない。
この自然には「禁断」など無いのだ。そのかたちの命が生まれ生きているという現実がある
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マーターズ(2007年製作の映画)

4.8

お気に入り作品記録。
ここまでの内容なのにも関わらず、初めて観た同じ日にもう一度観てしまった。

肉体と精神と尊厳をこれでもかと痛めつける拷問に、観る側も精神が軋む。
痛みを想像しやすい拷問が多く、観
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妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本のサメ映画、というだけで存在として目を引く個性がある。
更に特撮分野で活躍してきた作り手が“へんてこサメ映画”を彩る“へんてこ忍者活劇”で作品の面白さをパワーアップ。

時代考証を捨て、スタイリッ
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良いビジネス(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

5分に満たないショート。
だが内容は分かりやすくまとまっており、オチの感じも“読みやすさ”兼“期待通り”のレベルの絶妙な度合いを上手く突いてくると感じた。
出てくるクリーチャーもユーモラスで個性的。
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必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)

3.9

お気に入り作品記録。

たった一つのテクニックで、そこらへんの藪を中国そのものにし、自動車の炎上をありありと見せる最強の手腕に震える。

どんなにマジメでも、聖職者では行いきれない“世直し”がある……
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アレックスとチュパ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

メキシコのUMAチュパカブラ、という題材をかつてないほど愛らしく描いた異色の作品。
一昔前の流行や、メキシコならではのルチャ・リブレ、アレブリヘ、スペイン語の音楽、屋台料理が物語を彩る。

主人公の少
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ハウス・オブ・フィアー(2007年製作の映画)

1.3

このレビューはネタバレを含みます

数分のホラー。
アマプラで観たんだけど、レトロっぽい画質や演出は好み。しかしまあ字幕がハチャメチャ。

男言葉で喋るギャル。
欲情青年である彼氏がいきなりオネエみたいな語尾や敬語。

更に、「通販した
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ミスト(2007年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

お気に入り作品記録。

霧ごしに見える絶望。
それは目を疑う形や大きさの“あれら”であり、そして、最後に現れた“あれ”。

パニックスリラーによくある“(ヒトコワならぬ)ヒトイヤ”とでも言おうか、人間
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。
特撮とホラーが合わさったら、愉快なデスメタルみたいな映画が爆誕なされた……!
映画だけで★5の愛着だが、パンフレットが更に良すぎ(笑)!!

かつて外宇宙で破壊の限りを尽くし恐れ
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(1963年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

お気に入り作品記録。
鳥やカラスが好きだった6歳くらいの私に、ある日突然祖父がレンタルビデオで借りてくれた、生まれて初めて観た映画。
(という個人の思い入れ補正は★に反映させていなくて、それでも好きな
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。

予告編では一見して明るく、コメディ調のイメージを与えられ、その実かなり残酷かつ陰惨……だがそれだけではなく、いわゆる“ムナクソ残酷”テイスト以外にも魂をえぐるようにストレートな
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ノロイ(2005年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。

コメディであれバイオレンスであれ、そしてホラーであれ、私が世界的な天才だと思っている白石晃士監督作品の中でも一番好きな映画。

どんなに怖いホラー映画でも、一応観終われば「映画
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山海経 霊獣図鑑(2022年製作の映画)

4.5

中国の昔の地理書『山海経』に書かれている各地の怪奇生物や伝説の神々をモチーフにした冒険ファンタジー。

『山海経』自体はただただ箇条書きのように土地土地の特色が並べられている書物なので、どんなストーリ
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

斬新な設定の地獄絵図系アクション(アクションというかほぼ一方的なので殺戮)もの。

出血のバーゲンセールは昨年の『哭悲-the sadness-』と全く同じで、違いは『オオカミ狩り』では意図的なコメデ
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。

“戦時下の現実と幻想の別世界の間で、少女は妖精に選ばれ“試練”に挑む”
大筋だけ見ればファンタジックな冒険活劇にしかならないようなストーリーでありながら、その全てが圧倒的な光と
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ゼイラム(1991年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。
SF特撮と和風テイストの融合、有機的怪物のおどろおどろしさ、どこか古風でオリエンタルな美術品の如きガジェット……

子供の頃WOWOWで目にした「宣戦布告 美少女戦士イリアvsゼ
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VIRUS ウィルス:32(2022年製作の映画)

1.3

このレビューはネタバレを含みます

「未体験ゾーン」で時間合わず行けなかったのをレンタル
作品ならではのゾンビ?の習性は個性的だが、これはあまりストーリー上での要点にはならず、終始人災(しかもパニック系の社会だとか人の本性的な人災ではな
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

前作で強烈なインパクトを焼きつけてきた“エスター”というキャラクターの前日譚…という事で、変な感傷的描写だとかで彼女の別のイメージみたいなのを付加させる作品だったら嫌だなと思ってたけど、蓋を開けてみた>>続きを読む

ダークグラス(2021年製作の映画)

4.0

期待通りの味+それ以上の分かりやすさ&意外な要素、で超“鑑賞後感”が良い!
闇に光で炙り出される表情、クセ強音楽、ショックシーンの質感。それらに漂う「老舗銘菓アルジェント味」!

「アルジェントの持ち
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